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不正問題から改革をすすめる日野自動車、今後は?

コラム (2022/12/28)

今年3月、エンジン認証で性能を偽る不正行為が発覚した日野自動車。その後、8月には不正が2003年以前から始まっていたことが明るみに出て、対象車両は累計56万台に上ることとなり、新車の出荷停止はもとより国土交通省による型式指定取り消しの行政処分が下されるという大きなニュースとなった。その後、会社として組織の見直しが進められ、長らく続いてきた風土の改革に取り組むなど、”膿出し”が続いている。経営体制の見直しは今後、どのように進んでいくのだろうか。

・販売は大幅減少化
3月に公表され、業界に激震が走ったエンジンの不正問題。旧態依然の風土が長く続き、長きにわたる捏造は組織的なものであることが決定的となり、その中で「上からの命令は絶対」という社風が根付いていることを露呈することとなった。”膿出し”が一気に進んだのは、不正にまつわる原因究明に取り組んでいた外部弁護士らによる特別調査委員会が、次々と新事実を見つけ出したことによる。その背景には、排ガスの新たな環境規制が絡んでおり、ちょうどその時期が不正行為に手を染めることになった2003年とリンクする。国が定めた試験方法から目を背け、燃費や排ガスの数値を実際よりも良いものにデータを改ざん。”優等生”の日野自動車として市場に送り出し、消費者に対して背徳行為を続けてきた。

問題発覚後、国内での生産、販売は当然のことながら大幅に減少の一途をたどった。2023年3月期の連結営業利益は前期比のなんと8割減という極めて厳しい結果を招き、60億円に落ち込んだ。また、依然として生産できない車種も多いとされ、今年9月の中間連結決算では最終利益が前年同期比で70.4%減となる34億円まで大幅に落ち込む結果となっている。これを受け、同社では固定資産を売却し、不安定な状況となっている財務基盤の改善を図るため、同社が東京都日野市にある本社に隣接した工場敷地の一部を売却する検討を始めたという報道が流れた。もともと、敷地面積約30万平方メートルの日野工場は、老朽化に伴い2011年に閉鎖を発表。移転計画が進められてきた。段階的に茨城県の古河工場に移転が始まっており、現時点で、本社工場では車両を生産しておらず、一部のトラック部品のみ生産しているが、2025年をメドに残る部品生産の移転も完了する計画が進行している。今回は移転作業が進む中、跡地を自社で利用するか売却するか検討されてきたというが、前述のように3月に明るみに出た不正問題のあおりを受け、経営が悪化。最終的に、12月26日に開催された取締役会で付議され、売却を決定。来年3月にも決定したいという。ただし、敷地面積のおよそ30%となる11万平方メートルに留めるようだ。また、地元である日野市の意向も踏まえ、データセンターなどの活用を検討していると伝えられた。最終的には指名競争入札で手続きを進めるというが、現時点で売却額は非公表となっている。

・CEO職を新設。現社長が就任へ
2003年からの長期にわたる不正問題が発覚し、エンジンの排出ガスや燃費試験のデータを改竄(かいざん)に大きく関わってきた生産部門の長となる取締役3人は今秋辞任。歴代トップらにも報酬の自主返納を求める方針を打ち出した。その一方で、小木曽聡社長は月額報酬の50%を6カ月間減額。続投して企業風土改革など経営の立て直しに取り組むよう指揮を執ってきた。

不正問題が発覚した際、クローズアップされたのが同社における長きにわたる”「上にものが言えない」体質”だった。不正行為が定着した背後にあったのは、実際の性能は大幅に未達だったにも関わらず、上層部が大型車両のエンジンにおける目標達成を要請した役員の強い求めに応じるため、開発担当者が燃費データの操作に手を染めたと報告されている。ガバナンスが機能していないと言ってもおかしくないような現場の悲痛な声が上がらないよう、また風通しの悪い社風を一新することが求められる中、各分野に最高責任者を置く「チーフオフィサー」制を導入する方向であるという。より現場の近くに権限を委ねることで、これまで不正の温床となっていた上層部の意向を絶対視する風土を一掃するのが狙いだ。これに合わせ、同社は最高経営責任者(CEO)職を新設。現社長の小木曽氏が就く。このほか、最高財務責任者(CFO)や最高技術責任者(CTO)といった役職も新設する方針だという。

新たな組織改革においては、親会社であるトヨタ自動車がすでに取り組みを進めており、今回の改革着手もその影響が大きいと見られる。幹部の役割や権限や責任を明確にすることで緊張感を持った経営を目指すことになるが、同社はチーフオフィサー制を導入することで組織全体の見直しに着手。これまで続いてきた不正の再発を防ぐ体制を強固なものにしていくことを目指すことになる。



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