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日本の自動車メーカー、ロシアから相次ぎ撤退

コラム (2022/10/12)

今年2月下旬に始まったロシアによるウクライナでの軍事作戦。その侵攻はすでに半年を過ぎ、再びウクライナにも冬の訪れが少しずつ近づいてきている。一方、侵攻を続けるロシアに対し、世界各国は経済制裁をはじめあらゆる方法で終焉にむけての策を講じているが、大きな変化はなく、状況が好転するまでには至ってない。そんな中、このほどトヨタがロシアの事業から撤退することを表明。その背後にある事情にはどのようなものがあるのだろうか。

■トヨタの動き
9月23日、トヨタはロシアからの撤退を発表。実のところ、同社はロシアがウクライナへの侵攻後、3月4日からロシア・サンクトペテルブルクにある工場を一時停止していたが、日系の自動車メーカーとしてロシアからの撤退方針を明確にしたのはトヨタが初めてとなる。マスコミはこの報道に合わせ、今後はトヨタに追随する形で各メーカーも同じ判断を下すのではないかという考えを記していた。

同社のサンクトペテルブルク工場では、SUV(スポーツ用多目的車)などをメインに生産しており、年間生産台数はおよそ8万台に上った。3月上旬からすでに稼働停止に至っているため、大きな混乱はないと考えられるが、同社によると、工場を運営する現地法人は売却などせず、任意清算という形をとって撤退するという。同社にとっては「苦渋の決断だった」というほどの大きな悩みであったようだが、今回の現地生産終了の決断に合わせ、ロシア国内における新車販売からも手を引くということが発表された。ロシアでは、ウクライナ侵攻以降、およそ1000を超える企業が同国内での事業を休止したり、縮小を決行。スターバックスコーヒーやマクドナルドがロシア国内での営業を停止し、ロシア資本による”似たもの”ビジネスとして営業を行っている様子はテレビやニュースで報道されたことは記憶に新しいが、さすがに自動車販売や製造は代替案は見当たらないだろう。なお、同国における2021年の新車販売台数は11万台であるとし、世界販売全体としてはわずか1%に留まるとのこと。結果として、同社における業績に与える影響は極めて限定的であることがわかる。

なお、同国の工場では操業は見合わせていたものの、トヨタは現地従業員に対してこの間も賃金を支払ってきたという。現地通貨ルーブルの資金もいずれ底をつくと言われており、現地従業員およそ2300人に支払いを行うだけでなく、退職金の積み増しができるうちに……という判断でもあるようだ。もちろん、再就職支援の実施にも経費がかかるため、資金の融通が利くうちに決行を決めたと考えられる。もちろん、グローバル企業としての同社のブランドイメージを堅持し、リスクを最小限にすることも踏まえた上だろう。

■追随する企業
ロシア本国には、日産自動車もサンクトペテルブルクに工場を構えていた。完成車工場は長らく稼働を休止しており、9月には12月末までの休止延長決定を明らかにしていた。欧州や日本から現地工場への部品供給が極めて難しく、稼働できないのが長らく続いていた。この工場でもSUVをメインに手がけており、ロシア唯一の完成者工場でもあるとのこと。年間およそ10万台が生産できる能力がある工場だが、2021年はおよそ4万3千台に留まった。一方で従業員はおよそ2千人。賃金支払を続けていたが、今月11日には、ロシアからの撤退が新たなニュースとして報じられ、しかもわずか1ユーロでロシア事業を手がける子会社の株式を自動車・エンジン中央科学研究所(NAMI)に売却することを明らかにした。

日産の新たな動きに加え、今後続くのはマツダだと言われている。同社は、ウラジオストクに工場を持っており、現地企業ソラーズとの合弁工場における生産終了に動くとのことだ。同社は部品を現地工場に送って組み立てる「ノックダウン方式」を採用。今年4月下旬から生産を停止しているが、21年の生産台数はソラーズの分も合わせおよそ2万9千台だったといわれている。現時点で、同工場の生産再開は困難という判断がなされており、当面は在庫がある限り、現地での新車販売は継続し、加えて修繕などのアフターサービスを行うことを検討しているという。また、三菱自動車は、欧州・ステランティスとの合弁工場の稼働を停止中。逆風が止むどころかむしろ強くなる中で、トヨタの撤退を発端にドミノ倒しでどのような影響が出てくるのか、戦々恐々の思いを抱く企業もあるかもしれない。

この先、現在停止中の工場を持つ日系企業が撤退を敢行するのか、停止のまま様子を見るのか、企業として下す決断は重く難しいものがある。また、ロシアでは撤退する外資系企業の資産を接取する可能性があり、結果的に完全撤退は容易ではないともいわれる。しかしながら、つい先日、ロシア国内では職業軍人に加え、予備役としての兵員の動員を開始しており、この決定を受けて若者が国外へと離れる動きも少なくないという報道があった。これまでロシア本国の情勢はほとんど伝わってこなかった”お家事情”だが、侵攻による影響がロシア本国に”飛び火”することにでもなれば、ロシアで事業を展開する外資系企業への影響も少なくないと思われる。



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