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不足が長期化、半導体問題が与える影響

コラム (2021/02/18)

およそ1ヶ月前から報道で伝えられることが増えた半導体の問題。現在、世界的な半導体不足が問題となっており、世界の自動車メーカーが生産に少なからずとも影響を受けているという。およそ150万台の減産につながる可能性があるとも言われており、日系のメーカーにおいてはおよそ50万台がそのあおりを食らうのではないかと予想されている。一体何が起こっているのか。

・コロナが招いた不足問題
問題が伝え始められたのは、今年1月に入ってから。日系の自動車メーカーが次々と生産台数の下方修正を始めた。これは、クルマが売れないため減産するのではなく、実は作りたくても作れない状況による減産なのだ。その背景にあるのが、昨年1月以来、新型コロナウイルスの影響だ。一時的に記録的に販売が鈍化した自動車業界。だが、次第に活気を取り戻し、現在は経済回復の一端を担う立場となっている。ところが、肝心の「あるもの」が不足しているため、泣く泣く減産せざるを得ないということになっている。そしてその「あるもの」こそが半導体というわけだ。

これまで報道各社が伝えられた情報をまとめると、減産を発表した日系メーカーはトヨタ、ホンダ、日産、SUBARUの4社。トヨタの場合はアメリカのテキサス工場で1車種を減産し、中国では工場を一時停止する事態となった。ホンダは三重県鈴鹿市で製造するフィットにおいて、月4000台ほどの減産を強いられ、アメリカ、カナダ、中国でも減産を行い、イギリスでは操業の一時休止に陥ったという。また日産では、神奈川県の工場で減産を、そしてスバルにおいては、群馬県下の3工場で操業を一時中止。その流れを受け、21年3月期中には4万8000台の減産予定と発表している。”半導体ショック”は国内の自動車メーカーに限った話ではない。アメリカのフォード・モーターやGM、そして最大手のドイツ・フォルクスワーゲンにもその影響が波及しているようだ。日本、ドイツ、そしてアメリカにとって自動車製造業は国の基幹産業。部品の不足によって、一時的とはいえ”稼ぎ頭”が弱体化するのは、コロナ禍にあって”弱り目にたたり目”状態であることは明らかだ。結果的に、日本はもとより諸国政府が半導体を主力産業としている台湾の経済部にコンタクトをとり、車載半導体の増産を要請するという前代未聞の事態になったと伝えられている。

コンスタントな生産力が一時的に落ちたとしても、自動車製造に不可欠な半導体の供給がなぜあっという間にショートしたのか。そこに見え隠れするのが、半導体を必要とする他の商品との”せめぎ合い”だ。コロナ禍で生産が減産する中、需要の低迷を読んだ各メーカーが半導体の発注を大幅にコントロール。もともと、車載半導体などの部品の在庫を持たない「ジャストインタイム」と呼ばれる調達を行っていたことも響いた。そんな中で半導体市場で安定した需要を誇るスマートフォンなどの通信関係はもちろん、さらにコロナ禍の”巣ごもり”需要で売上を大きく伸ばした家庭用ゲーム機、テレワークの急増によるパソコン向けの需要が今まで以上に幅を利かせることになったため、車載半導体が結果として”後回し”となり、さらには困窮する足元を見られたことでメーカーからは値上げを迫られているという話も出ている。また、半導体メーカーにとって車載半導体よりもスマホやゲーム機、PC向けの高性能半導体を生産するほうがビジネスとしてはるかに儲けが大きいことも影響しているだろう。

・不足問題は長期戦に!?
スマホやゲーム機、PC等への搭載が必要不可欠である半導体。自動車もまたしかり、である。一般的にガソリン車1台に対して必要となる車載半導体の数は100~200個といわれている。一方、電気自動車になると、さらにその数は増え、ガソリン車のおよそ2倍になるという話もある。EV化はもとより、自動化に向けて開発が加速する自動車業界において、この先、より高性能の半導体が必要となるのは言うまでもない。近い将来、クルマは単なる移動ツールではなく”モビリティ”化した上でサービスを提供するツールへと変化することを見据えていることが大きなポイントとなってくるというわけだ。

最先端の人工知能がクルマへ搭載されるにあたり、高性能の半導体は欠かせない。クルマがネット環境と繋がることを考えれば、もはや車載半導体という括りではなく、通信半導体、AI半導体といった最先端の半導体を他の産業界と奪い合うことになっていくことになるのだ。

どうやらクルマ業界における”半導体ショック”は、近々の不足問題だけでなく、この先のクルマ作りに向けて抜本的な見直しを迫られていることを露呈する形となったように思えてならない。関係者の見立てによると、量産工場を新たに設けることこそが車載半導体の不足問題
の解決策になるのだとか。ただし、その準備に必要な時間は短くても1年から2年は必要だという。クルマを今とは異なる意味合いを持つクルマとして世に送り出すためには、まずは小さな部品__半導体の確保から、という話にもなりそうだ。



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