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進むEV化、遅れを取る日本の今後は?

コラム (2020/12/18)

ここのところコラムで取り上げることが増えている世界各国のEV事情。その中でも一番大きく変革に向けて舵を切っているのは中国であることは言わずもがな。一方で、ハイブリッド車の普及が進んでいる日本では、なかなか思い切ったEV化への動きは見ることができない。そんな中、政府が2030年代半ばに照準を合わせ、「脱ガソリン車」を目指すことを示唆し始めた。日本で馴染んできた「エコカー」は、この先どのような変化を求められるのだろうか。

・2030年代半ば、新車のガソリン車は”締め出し”へ
現在、日本における「エコカー」といえば、ガソリンとモーターの両方を用いる「ハイブリッド」(HV)が主流。大まかな数値ではあるが、日本国内で1年間に販売される新車はおよそ430万台。そのうち、年々増加傾向にあるHVであってもまだ3割程度にとどまっており、EVにおいてはたった1%にも届いていないという。低燃費車両が多く、まだハイブリッドでなくとも…という考えが強いのか、日本国内での「脱ガソリン車」の意識はかなり低いと考えられる。

そもそも”意識がかなり低い”という感覚は、日本国内における自動車の販売路線を考えても、ユーザーが進んでHVひいてはEVを進んで購入対象車として頭の片隅に置くようなことは正直なかったのではないだろうか。よほど環境問題に関心を持っているか、はたまたEVそのものに興味があるかでなければ、なかなか進んでその類のクルマを購入することはないように思う。第一、EVの購入価格はガソリン車よりもかなり高く、またインフラ設備の充実も満足の行くものではない。仮にEVを購入したところで、オーナーの住居がマンションであれば充電設備がない可能性もまだまだ多いし、屋外の契約駐車場の場合も同様だろう。外部電源を備えている戸建住宅であればまだ問題をクリアしやすいが、今の日本の住宅環境を考慮した場合、そうやすやすとEVへと移行するのは容易ではないのだ。

とはいえ、環境問題として考えた場合、いつまでもガソリンオンリーの車両を走らせ続けるわけにはいかない。それほど今は世界中がやっきになって「脱炭素」を掲げ、全面的に問題に向き合わなければならないところまでやってきていることもまた事実なのだ。そこでまず政府が温室効果ガスの「実質ゼロ」に向け、様々な実行計画を立てていく。その中で燃費規制を強化する。結果、二酸化炭素を排出するガソリン車はその規制をクリアできず、自動車メーカーは国からの補助金や優遇税制で電動化に取り組む…。つまり国から”待ったなし”の厳しい条件を突きつけられ、やむを得ずHVおよびEVの製造へと一気に加速しなければならなくなるのではないかと考えられる。

・諸外国はさらに実効性を高めて着手
環境対応においては、日本はまだまだぬるま湯の状態なのかもしれない。前回、中国は2035年を目処にガソリン車販売を全廃するというニュースを紹介した。この流れは欧米でも見られる。イギリスは2030年まで、アメリカ・カリフォルニア州も2035年までで販売を終えることになっており、日本は結果として出遅れていることがわかる。ただ、中国の事情は一概に環境問題だけに限らない。というのも、エンジン開発が不要のEVに限定することで、中国の製造企業が次々と誕生し、自国の一大産業として成長と繁栄を望むことができるという”うまみ”が見えてくるからだ。これに対し、自動車製造が国としての強みであった日本は、すぐさまガソリン車全廃という強硬策を採ることは困難。製造・販売禁止まで踏み込むことなく、様々な規制を事前に敷いて、メーカーを誘導するような”ゆるやかな”変革を求めていくことになるだろう。とはいえ、2030年代半ば以降、諸外国からの批判をいかにかわしていくかも気になるところだ。

もちろん、メーカーも黙って指を加えて見ているわけではない。ハイブリッドで世界を制してきたトヨタでは、EVだけに環境車を任せるわけにはいかないとばかりに、水素で走行可能な燃料電池車(FCV)を12月上旬に発表。2代目となる新型「ミライ」は、5.6キロの水素を車両に搭載し、およそ850kmの航続距離を可能にした。2014年に誕生した初代いは650kmほどの距離に留まったが、2代目は約3割増となった。一方でネックは販売だ。初代ミライはおよそ1万1千台が販売されたものの、日本国内ではおよそ3700台しか売れていない。これは政府が掲げる目標の10分の1だったという。さらに価格も自ずと高くなり、2代目は710万から805万に設定されている。水素ステーションが充分に整備されているとは正直思えないし、同額の予算でスペックに秀でた高級外国車が手に入ることを考えれば、やはりそう簡単にユーザーが食指が動くとは言い難い。また、トヨタ以外でFCVの製造するホンダも「クラリティ」をリリースしているが、こちらはリース販売に留まっており、そのリースも個人対象が今年6月に始まったばかりだ。つまり、まだまだメーカーとして検討の余地があまりにも残されているのが日本における「EV問題」なのかもしれない。メーカーにHVやFCV開発、製造を急かす前に、国として求められるのは、まずインフラ整備の拡充。新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、公共交通機関を利用せずクルマでの移動も増える昨今、航続距離が短いEVでは限界が見えてくる。街中の充電設備が整ってくれば風向きも変わってくることだろう。

自動車メーカーではないアメリカ・テスラがEVをリリースし、今では世界中のEVの代名詞となった。今年7月には同社の時価総額はトヨタをも抜いて自動車メーカーで世界一になったという。コロナ禍で、「当たり前のことが当たり前でない」という考えが広がる中、自動車そのものの在り方をしっかりと考慮すべき時が訪れているのかもしれない。



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