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変わるクルマの燃費表示。国際基準を導入へ

コラム (2016/12/30)

ドライバーにとって、気になる愛車の燃費。新車購入の際に、高燃費を意識して車両選びをするユーザーも少なくないだろう。その一方で、カタログに表記されている数値が、実車でそのまま達成することはほとんど不可能、と認識している人も多いのではないだろうか。実際の燃費との誤差は、ある意味“暗黙の了解”ではあったが、今年、三菱自動車などによるデータ測定の不正行為が明らかとなり、問題点の改善を図ると見られる。

・燃費表示の歩み
そもそも燃費計算はどのように行なわれてきたのか。古くは「10モード」という方法で計算したものが採用されていたが、これは、時速60kmという一定の速度で平地を走行する状況下で測定されたものだった。平地を一定の速度で走行するという状況と、市街地などでの実走行とでは、かけ離れているということから、その後、郊外での走行を想定し、計測方法として15項目を追加した「10・15モード」へと変更された。さらに、2011年からは「JC08モード」が導入され、現在、車両カタログに表記されている燃費は、この「JC08モード」になっている。この「JC08モード」は、「10・15モード」よりもより実際の走行パターンに近い状況を想定して計測されてはいるが、実のところ、その測定条件を見ると、これまた実走行とはかけ離れた状況と言わざるを得ないのだ。

ではどのような条件下での測定なのか。この日本独自の測定は、「平たんでまっすぐな道をエアコンを使わずに走る」というもの。国交省では、「実際の走行と同様に細かい速度変化で運転するとともに、エンジンが暖まった状態だけでなく、冷えた状態からスタートする測定が加わりました。既に一部の自動車は、JC08モードで測定した燃費値の審査を受けて、JC08モード燃費値をカタログ等で表示しています。」と説明しているが、その方法は、「市街地や郊外での走行を想定した一定のパターンで走らせ、燃料の消費量から、1リットル当たりの走行距離、つまり燃費を算出します。ただし、実際に車を走らせるわけではなく、試験場のシャシダイナモメータ(測定器のローラー)に車を載せ、車両重量毎に負荷重量を変化させた上で、その場でタイヤを回転させて、燃費を測定しています。」というもの。細かな速度変化を段階的に実施したところで、実際の渋滞状況を想定しているとは言い難く、実際はエアコンの使用も多く、実燃費との数値が異なっても仕方ない次元とも言える。実際、実燃費はJC08モードで測定された数値よりも悪くなると言われており、それはメーカー各車でつくる日本自動車工業会でも、「平均でカタログよりもおよそ2割ほど悪くなる」と認めている。中でも燃費が良いとされるハイブリッド車や軽自動車などに差が大きくみられるという。

・国際的方式の導入によって、なにが変わる?
新たに採用されるのは、「WLTP」(ワールドワイド・ハーモナイズド・ライトビークルズ・テスト・プロシィージャー)。日本では「乗用車等の国際調和排出ガス・燃費試験法」と訳される。これは、国際連合(国連)における車両の燃費性能を適切に評価する国際統一の試験法。国交省では、この方法を採用することで、燃費試験方法が世界標準化され、自動車メーカーにおける技術開発の発展はもとより、いっそうの燃費改善を期待することができるとしている。

対象となるのは、2018年10月以降に発売される新型車から、この方式での計測が義務付けられるが、その測定条件は、これまでのものよりかなり厳格化しそうだ。そのひとつが、測定車に指定される重量が重くなる。燃費の数値が悪くなるのは必至だ。また、燃費値は、平均値だけに留まらず、「市街地」「郊外」「高速道路」など、道路の違いに併せて3通りでの値を測定。これでより実走行時に近い燃費が測定できると考えられる。実質の数値と近いデータが表記されることにより、カタログ表記の数字とのズレもかなり減ると期待できるし、また、ユーザーがどのようにクルマを利用するかによって、よりシミュレートしやすくなりそうだ。

現時点で、結果的にこれまでよりも燃費値は悪くなることは容易に考えられる。事実、国交省が行なった試験法の結果においても、「WLTP 燃費値はJC08燃費値と比較して同水準かより低い(燃費悪化側)値となる傾向が確認された」とレポートされている。また、JC08モードで走行時間の3割近くを占めていたアイドリング時間が、WLTPでは15%まで低下。これにより、アイドリングストップ機能を搭載した車両の、燃費値悪化も想定に加えなければならなくなった。数値が悪くなるとはいえ、当然ながらクルマの性能には変わりはない。逆に、国際基準の測定を採用することにより、不正行為の防止はもちろんのこと、海外で発売する車両のデータ取得も統一化されるというメリットを重視すべきだろう。



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