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三菱自動車、日産の傘下へ

コラム (2016/05/13)

三菱自動車をめぐる燃費偽装の問題が加速を続け、ついに5月12日には、同社と日産自動車とが資本業務提携することで基本合意したことが発表された。これまでの間に明らかとなった同社の偽装問題をたどる。

・軽自動車の新車販売、大幅減に。
燃費試験データが偽装されていたという「eKワゴン」など軽自動車4車種。改めて走行試験を行なったところ、燃費が15%以上悪くなるデータが出たケースもあるという。その影響もあってか、4月に登録された新車台数では、三菱自動車からリリースされた4車種が前年同月と比べて6割も落ち込んだ。ちょうど問題発覚となった4月20日以降、同社の新車販売はストップされており、その影響も大きいといえるが、同社とOEM販売でタッグを組んでいた日産自動車にとってもこの余波が大きかった。例えば、日産ブランドの軽自動車「デイズ」。昨年4月には7400台強の登録があったが、今年同月は2400台強とおよぼ3分の1どまり。三菱ブランドの「eK」に至っては、1700台強から610台強までダウンしている。

そんな中、さらに追い討ちをかけたのが燃費計測における偽装が軽自動車のみに留まらず、同社が1991年以降に日本国内で発売したほぼ全ての車両において、違法にあたる燃費データ測定をしていたことが明らかとなり、自動車市場を大きな衝撃が走ることになった。今回の偽装データは、燃費試験を実走で行なわず、机上で計算しただけに留まっており、国土交通省の立ち入り検査も検討されている。

結果、同社が明らかにした測定データのうち、法定通りの測定を行なったのはわずか3車種といわれており、「デリカD:5」、「アウトランダーPHEV」、「ミラージュ」が該当するという。一方では、現在販売中の車両において、同社が改めて正しい方法で走行抵抗値から燃費を測り直したところ、発表していたデータとの燃費値に大きなかい離はほとんどないというものもあるため、その場合においては販売を継続するともしている。


・過去に学ばず? 重ねた偽装と不正
三菱自動車には、過去に苦い経験があった。それは2000年代に発覚したリコール隠しだ。しかも2度、行われている。まず2000年に明らかとなったのは、乗用車部門およびトラック・バス部門によるリコール隠し。このとき、1977年からおよそ23年という長期にわたり、10車種以上の乗用車、そして大型・中型トラックの合計約69万台にのぼるリコールを当時の運輸省に届け出なかったことが発覚した。当時、社内から匿名の内部告発でおもて沙汰となり、大きな不祥事として扱われた。

だが、それから2004年にもトラック・バス部門で同じようにリコール隠しを行なったことが発覚。これにより、突然の車両トラブルはもとより、大きな交通事故を引き起こす事件が起きたことは言うまでもない。

隠ぺいによる代償は大きく、ユーザーの信頼を失うだけでなく、当然のことながら販売台数が激減。また、当時の筆頭株主であったダイムラー・クライスラーから資本提携の打ち切りにも遭い、これを機に経営不振、廃業の危機に陥ることとなった。最終的に、三菱グループという大きな後ろ盾があったおかげで廃業の危機は免れ、立ち直しを続けてきた矢先の不祥事だけに、三菱ユーザーにとっては大きな失望だったに違いない。


・不正発覚は日産
今回の燃費偽装を請け負ったのが、同社の子会社「三菱自動車エンジニアリング」だというのは明らかになっているが、責任の所在は依然として不明のまま、企業としての体制が問われる事態となっている。

だが、このデータ偽装がどうして行われるのか。監督官庁として国交省も不正を見逃し続けていた。そもそもそこには検査そのものがメーカーによる自主申告に頼っているという事実が立ちはだかる。同省の自動車局長は、衆議院国交委員会で「メーカーの数値を信頼し、審査してきた。この点がデータ改ざんの背景にあった」ことを認めた。ちなみに、衝突安全対策などの検査の場合、基準をクリアしているかどうか調べれば済むが、燃費性能に対しては、それぞれの車種で調べる必要があるため、その作業量が膨大になり、充分な対応は不可能なのだという。

また2009年に始まった「エコカー減税」によって、市場における高燃費車両への関心が高まったことも追い討ちをかけた。メーカー頼みの申告を続けたことは、国交省にとっても今後の検査方法を検討する必要があるといえる。そもそも今回の三菱の不正が明らかになったのは、同社と提携する日産が声をあげたことに起因する。次期車種を日産主導で開発することとなり、その参考にするために同社から提供を受けた車両の燃費性能を計算したところ、大きな誤差が生じたためだという。提携先の企業の偽装が思いもしないルートから発覚するということも前代未聞だが、過去の不正によって企業の危機を味わった同社が、そこから何も学ばなかったことにも大きな責任があるといえる。


・日産の傘下入りが決定
燃費偽装問題発覚からわずか3週間。だが、事態は大きな動きを見せることになった。それが日産が同社を傘下に収めることだった。出資額は2370億円。日産が同社の筆頭株主となり、株式34%を握ることになる。2011年に日産と三菱が折半出資で軽自動車の商品企画を担う会社を設立、三菱が日産向けの軽自動車を岡山県倉敷市の「水島製作所」で生産して供給するという協業関係が、ここに来て一気に傘下入りという形で再編を迎えることになる。

記者会見に出席した日産のカスロス・ゴーン社長は、出資後も三菱ブランドを守るとコメントを残したとしている。「広範囲の戦略的な提携で合意している。両社にとってウィンウィンだ」というが、再編によってどこまで三菱ブランドの信頼を取り戻せるのか。これまで調査中という言葉が先行していたデータ改ざんにおいては、本社指示であったことが明らかとなり、国交省も本社への立ち入り調査を行なうことになった。今後の動向が引き続き気になるところだ。



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