ホンダは、人気のスモールカー「フィット」のマイナーチェンジに合わせ、ハイブリッド仕様を追加。2010年10月8日より発売を開始した。フィットならではの多彩なシートアレンジや居住性を犠牲にすることなくハイブリッドシステムを搭載し、30km/Lの優れた燃費性能と軽快な走りを実現した。
フィット ハイブリッドに搭載されるシステムは、インサイトが採用する「1.3L iVTECエンジン+IMA」と基本的に同一だ。主動力であるエンジンと1つのモーターを直列で組み合わせ、エンジンの効率が悪い発進時などにモーター(最大出力14ps)がアシスト。小排気量車が苦手にする領域をモーターが補うことで、1.3Lガソリンエンジン搭載車(13G/13L)の24.5km/Lに対し、ハイブリッドは30km/Lの省燃費を実現した。また、バッテリーや制御系を荷室下に納めることで「フィットらしさ」の象徴でもある、クラスの常識を超えた広々とした空間や多彩なシートアレンジを継承する。
ハイブリッドの先駆者・トヨタプリウスとの違いは、おもに発進時や車庫入れの時に体感できる。フィットはモーターとエンジンの2つの動力で発進するのに対し、プリウスはモーターのみで発進し、遅れてエンジンが始動するからだ。フィットのHVシステムは、あくまでも主役はエンジン。モーターは補助的な存在であるため、キーを捻ると通常のガソリンエンジン車感覚でエンジンが始動し、違和感無く運転することができる。その反面、モーターのみで走行できるシーンは「定速巡航+短距離」の極めて限られた条件下でしか動作しない。車庫入れなどは電気自動車として作動するプリウスとは劇的に異なることを事前に理解しておく必要があるだろう。
外装は、ハイブリッド専用のメッキ+クリアブルー塗装を施したヘッドライト、テールレンズ、フロントグリルを装着。リヤゲートにはハイブリッドエンブレムが装着され、ガソリンエンジン搭載車との違いを差別化。ボディカラーに専用色として、フレッシュライムメタリックを用意するなど、ハイブリッドであることを強くアピールする。
燃費性能は、プリウスやアクアには及ばないが、レクサスCT200hとほぼ互角。価格はベースモデルのフィット13G(123万円)に対してハイブリッドは159万円に設定される。走りのフィットRS(169万8000円)より10万8000円安く、ベースモデルより36万円高くなる計算だ。
HONDA FIT HYBRID(ホンダ フィット ハイブリッド)
車両本体価格:1,590,000円
車両型式:DAA-GP1
全高:3,900mm
全幅:1,695mm
全高:1,525mm
最低地上高:150mm
車両重量:1,130kg
乗車定員:5名
エンジン型式:LDA-MF6
総排気量:1,339cc
システム最高出力:100kW(136PS)
エンジン最高出力:65kW(88PS)/5,800rpm
エンジン最大トルク:121N・m(12.3kgf・m)/4,500rpm
モーター型式:MF6
モーター最高出力:10kW(14PS)
モーター最大トルク:78N・m(8.0kgf・m)
駆動方式:前輪駆動
トランスミッション:自動無段変速機(CVT)
サスペンション:F:マクファーソン式/R:車軸式
タイヤ:FR:175/65R15
|