{ * Script[inc] *}

国内EV販売、前年同期比2.5倍に

コラム

(2026/10/14)

今年9月に登録された新車台数は普通、小型、軽四輪合わせて36万743台となった。そのなかで電気自動車(EV)の販売がじわじわと広がっており、単月で過去最高を更新したことがわかった。中国のBYDが日本の軽自動車を研究して投入した軽EV含め、来月にはスズキが満を持して軽規格のEVをいよいよ投入する。公共エリアでの充電器設備等、インフラ設備がまだ十分とは言い切れないなか、今後もEV購入が広がっていくのだろうか。

・9月の国内EV販売は1万6074台
10月上旬に全国軽自動車協会連合会および日本自動車販売協会連合会が新車販売登録台数を発表。9月単月に加え、2026年度4月から9月までの上半期のデータも発表された。まず、先月、国内EVの新車登録に目をやると、その台数は1万6074台に。これは、前年同月比88.6%増で過去最高となる。

エンジン車を含む先月の新車登録台数の合計は前述のとおり、36万743台で、うち「電気自動車」に分類される車両は20万1759台を占める。なお、このなかにはハイブリッド(HV)車の代名詞と言われるトヨタのプリウスやヤリス、日産のノートやセレナ、またホンダのフィット等が含まれており、HVだけで18万973台が登録され、全体の50.2%を締めることとなった。一方、EVの割合は4.5%で当然ながら過去最高のシェアに。

では、4月から9月の上半期はどうか。合計台数は104万8460台で、うちHVが95万5342台で登録台数のシェアは49.8%で、前年同期比では2%減だが、7万273台が登録されたEVのシェアが3.7%を占め、同比2.1%増となったため、ちょうどHVの穴を埋めた形になった。結果として前年同期の約2.5倍と、目を見張る数字だ。

・登録台数トップはトヨタ「bZ4X」
軽EVの話題がなにかと先行するが、実際の販売登録データに目をやると、9月にもっとも多く登録されたのは普通車EVで、3231台のトヨタのbZ4X。これに日産のリーフが続き、2013台が登録された。この2台は上半期の合計台数がともに1万台超となっており、人気の高さがうかがえる。一方でまだまだEVの代表格でもあるテスラをはじめとする輸入車も44%増の5850台が登録された。

なお、7月末の国内販売からまだ日の浅いBYDのラッコだが、先月は442台が登録され、上半期での登録は648台となっている。8月は81台に留まっており、大幅増ということになる。因みにもっとも登録が多かったのは、日産のサクラで1371台。次いでホンダのN-ONE e:の651台となっており、ラッコは3番手だったが、来月以降は台数を増やしてくる可能性が高いと思われる。しかし、トータルでの比較では
普通車EVの登録増に対し、軽EVは前年同月比減の2634台に留まり、シェアは34.8%になった。これはなぜか?

・カギは国からの”補助金”
エンジン搭載車に対し、まだまだ車体価格の割高感が否めないEV。だが、政府がこの事態を踏まえて補助金を出している。令和7年度補正予算において、クリーンエネルギー自動車導入促進補助金として1100億円を措置。中でも昨年の高市政権発足後にEV補助金制度が見直されことで、一部の国産EVの補助額が手厚くなった。これが購入の追い風となっているのだ。補助金額はEVで最大130万、FCVは最大150万である一方、軽EVは国産が最大57万円強で輸入軽EVは15万円と差が大きい。これは、メーカーの総合的なサポート体制を評価した結果と言われている。

政府からの補助金に加え、今年春に発生した中東情勢の問題が今のなお続いて先行き不透明であり、ガソリン価格も高止まりという昨今の状況を踏まえて購入車両の候補にEVを検討する消費者が増えたと考えられるが、 昨今のEV販売好調に伴い、補助金の予算消化が早まっていると言われる。ちなみに、経済産業省は9月上旬の時点で申請受付の終了見込みが12月上旬から12月下旬頃になると公表。この発表以降、ディーラーや販売店も駆け込み需要を見越した営業をかけており、申請状況次第で終了時期が早まる可能性も存分にあるとされる。

登録台数の伸びを見る限り、過去の補助金制度と比べてもおよそ2ヶ月早い動きとなっているだけに、購入に興味がある場合は、納車時期はもちろん申請の手続きや要する時間等も考慮し、購入判断をする必要がありそうだ。余談だが、11月中旬に発売開始となるスズキのeスカイだが、同社の発表による価格は212万円から。補助金をフルが使えるのであれば、価格は155万2000円からになるという。補助金を前提に購入を希望する消費者もいるだろうが、前述のように、納車時期次第で補助金が終了する可能性もあるだろう。一方で、熊本地震の影響を受け、車両製造に欠かせない半導体の納期遅れもあるという。”地球にやさしい”クルマを求めるなかでEV購入を選択する消費者が増えているのは喜ばしいものだが、補助金ありきの購入に留まるのであれば、まだまだEVの魅力が浸透していないという見方もある。メーカーとしては、EV登録台数増は手放しで喜べない”現実”なのかもしれない。

過去のニュース記事