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コラム
(2026/02/18)アメリカから日本へ輸入される乗用車を対象に、新たに保安基準等の認定制度を設けることを国土交通省が明らかにした。この背景にあるのが、昨年の7月に発表されたアメリカと日本との間に存在する関税だ。結果として、アメリカで生産された車両の日本への輸入が簡単になるという。
・異なる2国の規制を調整
新たに創設された認定制度が施行されると、アメリカで生産し、日本へと輸入された車両の安全性が書類審査のみで認定可能となる。これまで実際の車両を用いて行なわれてきた追加試験が条件次第で不問となる。日本における安全基準と同等の安全性が担保できれば、手続きが簡素化されるというものだ。
昨年、日本の赤沢亮正経済再生担当大臣が足繁くアメリカへと通い、関税交渉を重ねたことは記憶に新しい。とりわけアメリカとは互いの主幹産業ともいえる自動車の輸出入において熱い論争を重ねることになった。その最中に日米両政府が検討していたのが手続きの簡素化だったのだ。
現在、日本とアメリカの間では、衝撃に対する車体の強度はじめ、ウィンカーの色など、安全性の審査で異なる基準が設けられている。アメリカからの輸入車が日本で走るためには認証を受ける必要があり、事前に追加試験が必要だった。この際、車両を一定速度で壁にぶつける衝突実験等を実施、車内における影響や重さのある物体を車両の上部から落下させて安全を確認するなどしていた。
このたびの”調整”の導入により、国土交通省からいわゆる”お墨付き”をいただく形となり、日本で製造された日本車に求められる規制に完全合致していなくとも、”アメリカ仕様”の乗用車として登録が可能になる。
・対象車両は、自動車メーカーによる輸入車のみ
日本政府はこの制度を早速に施行し、経済産業省の公用車としてアメリカ製トヨタのハイランダーを導入。すでに実用化を開始するなど、アメリカに向けてのアピールにも尽力した形といえる。
トヨタも、アメリカで生産している「カムリ」「ハイランダー」「タンドラ」の3車種を順次日本市場に導入を目指すと発表している。日本のメーカーがアメリカで製造した車両も「アメリカ車」として位置づけされるが、アメリカでもニーズがあるセダン、SUV、ピックアップトラックとそれぞれ趣向の異なる車両を”逆輸入”することで、幅広いユーザーの声に応えることになりそうだ。
ただ、新たな認定制度が導入されたことで、アメリカの車両を輸入しやすくなる! と安易に考えてはならない。このたびの制度の対象となっているのは、アメリカ国内の生産拠点で製作され、かつアメリカの保安基準、環境規制などをクリアした乗用車のうち、おもに自動車メーカーが主体となり日本へ輸入される車両に限定している。個人輸入等での車両とは一線を引いているので早とちりは禁物だ。
なお、認定を受けた車両は、アメリカをイメージするような赤色の星形が描かれた直径5cmのステッカーが車体後部に貼付され、自動車検査証にも記載されるという。今後は、「メイド・イン・USA」のステッカーが貼られたこれらの車両を街なかで目にすることとなりそうだ。
・ニュースリリース