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ソニーとホンダのタッグによるEV、販売を先送りへ

コラム

(2026/01/15)

2026年最初となるコラムの題材は「電気自動車(EV)」。昨年もコラムで数多くEVに関する話題をピックアップしたが、少なくとも日本国内におけるEVについて前向きなコラムを紹介した記憶はあまりない。というのも、インフラ設備が遅々として進まず、国内で目にする自動車の割合において「EVが増えてきた」という感覚がないからだ。そんななか、ソニー・ホンダが打ち出すEVについて、新たな情報がアメリカから聞こえてきた。逆風にもまれた船出になるのか否か?

・今年のCESは自動車メーカーが減少
年明け早々、日本の自動車関連の記事として近年ニュースやウェブ記事で紹介されることが増えていたCES。「コンシューマ・エレクトロニクス・ショー」は、かつて家電の新製品を大々的に紹介するものであり、日本の家電メーカーがこぞって新たなテクノロジーを搭載した商品をお披露目する場であったが、昨今はPCやモバイル機器、そして電気自動車(EV)、加えてAIを多用した製品の紹介が主軸となっている。なかでも、EVは近未来のデザインで近い将来にガソリン車に代わって世界中の道路を走行することを謳っていたが、そう簡単にEVが席巻するには至らず、まだまだガソリン車が世界中の”自動車”を指す形となっている。

確かに、中国本土はじめEVの普及が徐々に増えている諸国もある。だがその一方で日本のように遅々として普及が進まない国、あるいは欧州が昨年末にエンジン搭載車の新車販売を”禁止”から”条件付き販売継続”という緩和策を打ち出したことが影響してか、今年のCESの会場には、これまでのような自動車メーカーの出展が見られなかったという報道だった。こと、日本の完成車メーカーの出展は「ゼロ」という有り様。逆に、本流の中国のメーカーは日本でも販売路線を強化中であるBYDはもちろんのこと、スタートアップ企業も新たな車両を展示するなど、多くの注目を集めていたという。

BYDといえば、販売台数において昨年ついにアメリカ・テスラを超える売上を達成。前年比28%増、225万台という記録を打ち立てた。逆にテスラは8.6%減の164万台に留まっており、車両価格でより手が出やすいラインナップを実現したBYDに追い風が吹く形だったといえる。

・ソニー・ホンダEVの販売はいつ?
日本の完成車メーカーによる出展がゼロのなか、新たな自動車メーカーとしてCESに出展したのが「ソニー・ホンダモビリティ」。この会社は、2022年のCESで初めて自社ブランドの「AFEELA(アフィーラ)」をお披露目。そのプロトタイプから4年が経過した今年、ようやく実車デリバリーの開始がアナウンスされた。この車両は2025年の秋に工場での試作車製造を開始、現在は第2弾としてSUVタイプの開発を進めており、CES会場においてそのプロトタイプも併せて発表された。

また、会場において同社から進捗の説明が行なわれた。量産開始後の納車は「2026年半ば」から「2026年中」に”延期”され、また日本国内への納車も2026年中が2027年前半に遅らせることが明らかになった。市場への納品が遅れるなか、会場では新たな車両における走行性能についての言及はなく、いわゆる”クルマ”=”走るもの”としての魅力が語られることはなかったという。すでに先送りが確定するなかで、クルマの魅力を言語化できないのは、極めて残念だと言わざるを得ない。

なお、カンファレンスでは気になる車両価格が明らかになった。8万9500ドルと言われており、日本円にするとおよそ1400万円という高額車両になることが判明した。現在、BYDの最低価格は3万ドルを切っているし、EVの先陣、テスラの最低価格版も4万ドルを切る。その2倍超の車両をリリースするにあたって、ソニー・ホンダが世に送り出す一台は、ホンダが持つEVの技術に、音楽をはじめ、ゲーム、スマートフォンといったテクノロジーを結集させた”ソニーならでは”を存分に堪能できるソフトウェアが凝縮されたものでなければならないのだろう。当たり前だが、”生活の足”としての一台でないことだけは確かだ。アメリカ市場を皮切りに、今年市場にお目見えするソニー・ホンダのEVは、果たしてどんな存在と化すのだろうか。ユーザーが求める一台と成り得るのか、注目が集まる。

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