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揺らぐ信頼性。ダイハツの全車両出荷停止へ

コラム (2023/12/26)

今月25日、大阪に本社があるダイハツ工業が車両認証試験をめぐる不正を受け、3箇所にある工場が稼働停止した。この事態を受け、国内外で手掛けるすべての車両の出荷も当面停止される。安全性が問われるなかで長年に渡って繰り返されてきた不正が与える影響は、この先どこまで広がっていくのだろうか。

・次から次、認証不正が明るみに
車両の認証試験をめぐる不正問題が新聞、テレビ等のメディアで報じられるようになると、次々と新たな不正問題が発覚。対象となる車両は、すでに生産を終了したものまで及ぶという。現在明らかになっている対象車両は63車種。エンジンは3種類としている。当初、不正問題が発覚した時点での対象車両は6車種だった。それが日も経たないうちに63車種へ。これは、ほぼ全車種に相当するそう。しかし、ここまで不正問題が多方面に渡って影響を及ぼしているとなると、ダイハツそのものの体制が問われることになるのは明白だろう。結果として国内外すべての車種の出荷停止に追い込まれた形だ。調査した第三者委員会によると、不正は衝突試験にとどまらず、排ガスの認証手続きでも見られ、ほかにも幅広い試験項目で不正が横行していたことになる。もはや、ごまかしで塗り固められたクルマづくりに及んでいると言われても仕方がないくらいの話ではないか。このような異例の事態に陥ることになった背景にあるのは、やはり長い間、社内の体制としてこの不正を見て見ぬふりを続けきたからこそ。今回の報告によると、一番古い不正は、1989年なのだというから驚くばかりだ。

・不正問題が明るみになった発端
では、なぜいままで長きにわたって隠蔽されてきた不正試験が明るみになったのか。ダイハツ社内において、今年4月に開発中の車両を含む、海外向けの車両4車種、および国産向けの2車種について、側面衝突試験の認証手続きにおいて本来の仕様とは異なる加工を施していた、という内部告発があったという。この時の対象車両はおよそ17万台。ハイブリッド車のライズはじめ、トヨタにも供給する車両が多くを占めていたというが、実際の開発や認証試験を担っていたのはダイハツだった。

不正問題が内部告発で明らかになった際、ダイハツ工業の奥平総一郎社長は、記者会見の場で「担当者にかなりプレッシャーがかかっていた可能性がある」とコメント。同社がトヨタの連結子会社となったのが、1998年。これ以前から、社内での不正行為はあったようだが、トヨタとのつながりが強化されるなか、以降、海外展開の役割を担うこととなり、2016年には完全子会社となってからは、より厳しい条件下での開発や製造を強いられてきた可能性もあるのではないか。ダイハツブランドとして、軽自動車の国内シェアのうち3割を握る会社としては、試験での不合格など許されるはずもない。そんな強烈なプレッシャーを感じながら次から次へと車両開発や業務に関わるなかで、気がつけば不正に手を染め、それが慣例となっていたのかもしれない。第三者委員会が調査した結果、不正の背景として挙げたのは、過度にタイトで硬直的なスケジュールが組まれていたことや、管理職が現場任せでチェック体制が構築されなかったこと。加えて、人員不足で余裕がなく、自分や自工程さえよければよいという”社風”があったと指摘。現場で不正行為に目をつぶりつつ、関わっていた関係者は、いつか明るみに出る、という不安に苛まれていたのではないだろうか。

・ユーザーが気にする安全性
次々報告される不正、試験データの捏造……その数の多さには驚きを超えて呆れてしまうばかりだが、何より気の毒なのはその車両のユーザーだろう。会見では「安全性に問題はない」とコメントしたと伝わるが、国土交通省へのリコールが報告された以上、危険を伴う車両のハンドルを握ることにためらいもあるのではないだろうか。現在、工場における製造が停止している一方、リコール対象車のユーザーへの配慮と対処についても早急な報告が必要なはず。いつも以上にクルマに乗る機会が増えるであろう年末年始が近づくなか、少しでもユーザーの不安を和らげる措置が求められる。

明らかに不正行為を隠蔽するための”創意工夫”のような細工もあったという報告が上がっている以上、必ずしも「安全性に問題はない」と発言するのはいかがなものか。社内に長い時間をかけて生まれたひずみを取り除くためにも、大鉈を振ることが必要となるはずだ。

そして、会社ぐるみの不正行為により、災難を被るのはユーザーだけではない。生産に必要な部品を請け負う仕入先んのメーカーは全国に423社あるという。さらに、ダイハツへの売上依存度が1割超の中小企業においては、34社に及ぶとしている。年の瀬を迎えるなかで工場の稼働停止の影響を受け、部品の納品が停止するという雪崩現象も起こっているため、補償問題になるのは言うまでもない。また、工場で働く従業員の不安も募るばかりではないだろうか。

稼働停止は来年1月までと言われており、その間、従業員は働くすべを失う。年内は工場の清掃などに従事するという報道もあったが、休業対象者として年末年始を迎えることになった今、社内の労働組合は会社側と交渉を行ない、休業対象者には給与の9割以上を支払うよう要望したという。

いずれにせよ、一日も早い信頼回復を目指し、早急に体制の見直し、さらには製造販売の再開に着手することが急がれる。



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