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車輸出世界一、日本から中国へ

コラム (2023/12/15)

自動車の輸出台数世界一が、日本から中国へと変わることがほぼ確実となった。すでに2023年上半期の時点で日本を抜いて、世界一の輸出国になっているため、その流れを継続して今年の世界一になると考えられる。コロナ禍が落ち着く一方、中国としてはまだまだ海外貿易の状況は冴えない状況にあるようだが、なぜ車輸出に関しては好調なのか?

・中国の自動車企業が国際市場で躍進
新聞各紙の報道によると、今年1月から10月における輸出絵台数を見ると、359万台だった日本に対して中動くは392万台。すでにこの時点で日本が33万台の遅れを取っている。2023年第1四半期の時点でも、中国は日本に対して12万台ほど多く輸出しており、結果として1年を通じてこの流れが持続したと考えていいだろう。

中国の車輸出が国の基幹産業として躍進を見せる背景にあるのが、電気自動車(EV)だ。2022年にはドイツを抜いて世界2位となり、そしてついに今年世界一を手にする可能性が高い。2020年まで100万台ほどだった中国の輸出台数。以後、同国では年100万台のハイペースで増加の一途を辿っている。急拡大のタイミングとなったのは、2021年。エンジン技術を持たない中国の自動車メーカーだが、ECを中心とした新エネルギー車の製造に国を上げて注力してきたことが形となったといえる。中国国内でも大掛かりな補助金を出してEV購入を推進してきたが、その消費者のニーズに応えるような形で、新規のEVメーカーが次々と誕生。切磋琢磨する企業とそれを鼓舞する中国政府がタッグを組むかのように車輸出も加速する形となった。今年1月から8月における同国の新エネ車輸出台数は、前年同期比で113.3%増。台数としては、72.8万台に及び、全体に占める比率は24.8%に達したという。また、新エネ車全体に占めるEVの割合は91.5%とダントツだ。

同国における輸出先を見ると、2022年のデータでは、1位がベルギー。2位にイギリス、3位にタイ、4位にはフィリピン、そして5位にインドと続く。また、今年のデータでも、タイ、スペイン、オーストラリア向けの台数がすでに2022年の台数を超えているといい、いかに好調かがわかるだろう。なお、中国から輸出される新エネ車だが、企業別のデータのトップは、米国に本社があるテスラ。同社は2019年から上海に工場を構えていることもあり、やはり堂々のトップを誇る。中国企業の車に限らない”輸出”であることも、中国の輸出世界一を後押ししているのも事実ではあるが、国有企業である上海汽車乗用車が2位に続く。この会社は、2007年に買収したMGブランドの販売ルートを活用、欧州での販売路線に力を発揮しているようだ。一方、EV最大手だと言われるBYDは4位にランキング。BYDは今年に入ってから日本での販売をスタートさせており、今後の”伸び代”も期待されている。ちなみに、今年1月から8月のわずか8ヶ月で、2022年通年の2倍以上の輸出実績を上げたとのこと。すでにノルウェー、ブラジルなどの南米はじめ、欧州、アジアでの市場進出を果たしており、その勢いは凄まじい。積極的な海外展開が確実に実を結び始めているのは言うまでもなさそうだ。また、ランキング5位の吉利汽車は、2010年にスウェーデンの自動車メーカーのボルボを買収した会社として知られる。ボルボの販売ルートを活かし、欧州市場に進出後、ボルボブランドとしてEVに特化することを明言していることもあり、この先の輸出も安泰ではないだろうか。

・ロシアへの輸出が追い風に
一方で、新エネ車ではなくとも輸出台数を伸ばした”特需”が存在する。それが、ロシアへの輸出だ。ウクライナへの侵攻を境に、ロシアに対しての経済制裁が始まり、日米欧のメーカーがロシアでの生産から撤退。これを機に、中国からロシアに向けての輸出が急増。去年16万台だった輸出が今年の1月から10月だけでも75万台に及ぶ。日本が今年8月から対ロシアの追加制裁で、中古車を含む乗用車の輸出規制を強化したことも影響があるのではないかと思われる。ちなみに、現在の時点で、日本からのロシアへの輸出は、600万円超の高級車、排気量1900cc以上の乗用車が禁止されている。EVを強化する中国ではあるが、ロシアへの輸出に関しては、今もなおガソリン車が主流であることを考えれば、制裁で輸出ができない日本の代替を担っていると想像も難くない。この先しばらくもこの動きは伸びる傾向にあると言えるだろう。

ロシアへのガソリン車輸出、さらに欧州への安価なEV輸出、日本や米国への輸出が伸び悩む中でも、じわりじわりと車輸出大国のイメージと実績を伸ばす中国。昨年まで輸出世界一だった日本のメーカーとしては、EVが主軸となる世界の市場を見る限り、再び世界一を奪取できる可能性は正直低いと考えられる。EVシフトがどんどん進む中で、遅れを取ったといえるEV市場にどう挑んでいくのだろうか。この先、正念場が待ち構える。



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