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日本版「ライドシェア」、政府の検討はじまる

コラム (2023/10/24)

一般ドライバーが自家用車を用いて、利用者を有償で目的地へと運ぶ「ライドシェア」。海外に目を向けると積極的な導入を経て、今や当たり前の存在となっているのがアメリカや中国である一方、一旦は導入したものの、検討の末に禁止したり制限を設けるなどの見直しを重ねる国もある。そんな中、原則禁止を掲げてきた日本でも導入に向けての検討がいよいよ本格的に始まるという。日本独自のライドシェアとして、どういうプランが用意されるのだろうか?

・タクシー不足解消に向け
導入に向けてようやく議論が本格化することになる「ライドシェア」。広くは、運転免許証を所有する一般ドライバーが、利用者を乗せて目的地まで運ぶことを言うが、これまで日本では法令によって禁止されてきた。タクシー事業は、国土交通大臣の許可を得た車両に着けられる緑色のナンバープレートに対し、白いナンバープレートの自家用車でタクシー業務を行なうことから、いわゆる「白タク」と呼ばれるのをご存知の方も多いのではないだろうか。道路運送法78条では、原則として自家用自動車を「有償で運送のように供してはならない」と記されており、今のなおその規則は変わっていない。では、このたび検討を行なう「ライドシェア」はどのような扱いにするのだろう。

今回の「ライドシェア」を導入検討を前に、23日に岸田総理が所信表明演説の中で語ったのは、既存のタクシー会社を補完する形でのライドシェアだった。つまり、”日本版ライドシェア”の展開を目指すものとなる。これによると、まずは観光地などで相次ぐタクシー不足の解消が”ファーストプライオリティ”のようだ。観光地では季節的に人の流れに変化が見られ、その需要バランスへの配慮が必要となる。季節に限らず、不足しがちな地域や時間も見られるため、その部分を補完することが狙いと見られる。

ただ、いきなり、一般ドライバーが縦横無尽に走るような形での導入はせず、運行管理や配車といった事務的な作業をタクシー会社に委託することで、”プロ”への配慮も念頭に入れている。しかし、競争の公平さはじめ安全性を心配するタクシー会社では、導入検討への警戒感が否めない。しかしながら、タクシー業界とて厳しい現実問題に直面していることも事実だ。全国ハイヤー・タクシー連合会によると、現在、全国のタクシー運転手は2023年8月末時点でおよそ23万人。まだコロナ禍だった2022年は20万9131人だったため、インバウンドの復活による需要の高まりが影響しているのか、人員は再び増加にあるようだ。しかしながら、およそ20年前の2004年では42万8303人だったというから、厳しい実態が見て取れる。観光地では思うようにタクシーが捕まらないことも、決して珍しくはない状況が続いている。

タクシー業界へ配慮しながらも、政府が検討する”日本版ライドシェア”の構想はこうだ。まず、客がタクシー会社へ連絡し、タクシーがライドシェアのどちらを利用するか、選択する仕組み。またスマートフォンのアプリを活用して利用者とドライバーが直接繋がるのではなく、あくまでもタクシー会社を介在する形をとる。これでタクシー会社は価格競争に翻弄されることもなければ、客の確保も担保される。プロのタクシーを拾えない際に、一般ドライバーによるライドシェアを活用する、という”補完”であれば、タクシー業界が恐れる”利用客の流出”という心配もない。ライドシェアが解禁されても、守るべきものは守るというスタンスを掲げている。海外で定着しつつあるライドシェアであれば、タクシー会社との価格競争が起こる一方、万が一の事故が発生した際、その安全保障や責任の所在、運行管理の在り方、さらには性犯罪被害の可能性も否めない。”日本版ライドシェア”では、そういう懸念を避けるためにも、”タクシー業界ありき”でライドシェアの導入を検討しようというものだと思われるが、それでもなお”曖昧さ”が見え隠れしていると、タクシー業界側の警戒心は残る。今後、新たな導入検討に向けて、どのような”注文”をつけるのかも気になるところだ。

・肝心なのは、利用者本位の目で見ること
慢性化する都市部や観光地での問題が目につくタクシー問題だが、一方で、過疎化が進む地方あるいは都市部からほど近いベッドタウンの”高齢化”にも、ライドシェア導入の可否は大きな影響を与えると考えられる。

公共交通網が発達する都心部では、タクシーの存在はさらなる活用手段として捉えられる。だが、電車もなく、これまで路線バスが頼りだった地域において、バスの運営が立ち行かなくなって廃業に追い込まれるという事案が昨今発生している。慌てた自治体が地域を走っている他の運営会社に懇願し、住民の”足の確保”に奔走する形となっている。早くから同様の問題に取り組んできた地方自治体では、すでに「自家用有償旅客運送制度」を取り入れ、市町村やNPO法人などおよそ700の団体が運営しているところもあるが、都心部にほど近い地域で高齢化が進む場所などは、これからライドシェアの積極的導入を検討する余地が十分にあると思われる。2006年から始まったこの取り組みでは、タクシー運転手に求められる二種免許も要らず、専用車も使わない。一方で、運行管理や車両整備の責任者が選任され、地域の住民が務める運転者の病気や疲労度合い、飲酒の有無を確認するという。また、安全面の補償としては、一定条件以上の任意保険加入が必須としており、事故時の責任は運営団体が負う形を取っている。もともとタクシー会社との競合がないため、スムーズに導入できているようだ。ただ、普及にあたっては、NPO法人などに頼らなければ実現しないことが、今後の問題点として浮上することも否めない。

働く人が緩やかに減少していく日本の社会において、移動に際してクルマを必要とする機会がなくなることはない。安全面の確保という大きな課題はあるとはいえ、”困った人に手を差し伸べる”形で理想的なライドシェアを作り上げていく必要があることだけは確かだろう。



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