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家電量販店、EV販売に着手

コラム (2023/07/09)

今月上旬、家電量販店のヤマダデンキが三菱自動車のEVを販売すると発表した。近年、アメリカ・ラスベガスで開催される国際レベルの電子機器見本市として知られるCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)において、プロトタイプのEVや近未来の自動車が発表されることも珍しくなくなったが、ついに日本でも”デンキ屋”で自動車の販売が始まることになる。

・販売対象は法人
今回の発表で明らかになったのは、ヤマダデンキを傘下に持つヤマダホールディングスと三菱自動車との協業になるということ。早速、神奈川、埼玉県下の5店舗において販売が始まっている。ただし、対象としているのは、一般消費者の個人向けではなく法人向けとしている。取り扱うEVは、三菱の軽乗用EVの「eKクロスEV」と軽商用EVの「ミニキャブ・ミーブ」の2車種であり、法人向けという観点から軽商用EVがセレクトされたこともうなずける。

今回の協業は販売網の強化を目指している三菱と、高まるEV需要の取り込みを狙うヤマダの思いが合致。今後は3県11店舗まで拡張を目指す中、店舗ではEV用の充電器はじめ、太陽光パネル等の関連設備の販売やクルマの修理までも店舗で請け負うとしている。

今回、両社による協業は初めてではない。実のところ、協業は2回目になるという。2010年にヤマダの店舗においてEV「i-MiEV(アイ・ミーブ)」を売り出した実績を持つ。2010年12月に、東京をはじめとする関東圏の17店舗において個人向け販売を開始していたのだ。同車両の常設展示場を開設、また、太陽光発電システムから充電設備の設置まで、トータルソリューションの提案や、試乗会などのイベントを積極的に実施した。しかし、まだ世の中も今ほどEVへの関心が低かったこともあって需要が伸び悩んだ。結果、2013年11月をもって販売終了という形で両社の協業も終焉を迎えた。だが、10年という歳月を経た今、世界中で環境規制が強化され、また、企業としても脱炭素化が急がれるという社会情勢が改めて追い風となった。そこで三菱自動車が再びヤマダホールディングスに打診したことで2回目の協業に至ったとのことだ。

ヤマダデンキは、「EV周辺事業であるバッテリーチャージング事業、スマートハウス事業、自動車整備事業(ヤマダ車検)など、次世代モビリティ・ビジネスの構築を綿密に準備してきた」とリリースでコメントしており、「これまで培ったEV用充電器・太陽光発電システム・V2H (Vehicle to Home)の販売・設置工事請負事業及び自動車整備などの周辺サービス事業を更にスケールアップし、お客様に日本最大級の店舗ネットワークの強みを生かした「EVのワンストップサービス」を提供することで、社会・環境の貢献に資する新たな可能性を追求していく」という。これはまさに、EVは移動ツールであるとともに、”家電”としての位置づけを提唱しているものであり、すでに太陽光発電と住宅をセットして販売するビジネスモデルを実証するヤマダならではの着眼点といえるのではないだろうか。一方、三菱自動車としては、ディーラーでユーザーを待ち構えているだけでは遅々として伸びてこないEV販売の現状打破のため、家電量販店の店舗で見てもらうという販売戦略を選択したと考えられる。ほぼ同時に販売を開始した、日産の軽EV「サクラ」と比較しても契約台数に遅れを取っていると言われており、ヤマダデンキが網羅する法人会員10万社へのアピール力は大きな魅力となりそうだ。

・ヤマダだけでなく、かつてはアノ通信販売会社も
「家電量販店によるEV販売」と、新たなニュースに聞こえるようだが、前述のとおりヤマダにとっても2回目の挑戦となるが、実はこの取り組みに着手したのは同社だけではない。2010年の最初のチャレンジからおよそ1年後、通信販売会社最大手である、あの”ジャパネットたかた”もi-MiEVの販売をスタート。こちらはもちろん、テレビショッピングによる販売だった。店舗を持たない販売経路であったため、たかた側は自社製作の番組を通じて商品紹介および説明を担当。三菱側がEV販売とアフターサービスを担当した。特筆すべきは、販売開始からおよそ4ヶ月程経ったころに、当時の髙田明社長が「テレビショッピングで日本で初めて販売をやったが、70台の実売につながった」とコメントしているというニュースがある。紹介販売の番組は3回。その時点で70台を販売したというのは、まさに名物社長でもあった氏の功績によるものも大きいだろうが、”売り方ひとつ”で消費者の食指が動く”商品”であったことは確かだろう。

ちなみに、その後もテレビショッピング業界でEV販売のチャレンジがあったという。2018年11月、ショップチャンネルを運営するジュピターショップチャンネル株式会社では、ドイツ・BMWのEV「i3 Atelier レンジエクステンダー装備車」(以下i3)を生放送のショップチャンネル中で紹介したことがあり、このときは10台限定の販売だったという。そのときは、600万超の車両価格に、4年分の公共急速充電使用無料と家庭用充電設備(工事費は別)をプラス、合計668万超となる価格を、特別価格として498万円にするというスペシャルパッケージ購入クーポンを販売したと言われているが、今となっては、販売が成立したかどうかはわからない。

インフラ設備の充実化が進み、EVへの特別意識が薄らいでいく頃、そしてヤマダデンキだけでなく、家電量販店やTVショッピングでの販売が珍しくなくなれば、そのとき、もはや自動車は従来の自動車としての存在価値ではなく、家電のひとつとして受け止めるユーザーが出てきてもおかしくないのかもしれない。だが、マフラーから漏れる野太いエンジンの音や小気味良い振動、さまざまなエンジン車の”魅力”を知る者としては、とてつもなく違和感を覚えてしまうのもまた事実だ。



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