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スズキ、空飛ぶ車の製造へ

コラム (2023/06/30)

6月19日、スズキは、電動で空を移動する「eVTOL(イーブイトール=電動垂直離着陸機)」、いわゆる「空飛ぶクルマ」を開発しているベンチャー企業と機体の製造に向けて基本合意したことを明らかにした。製造に際し、スズキの自社工場を活用するという。製造開始は来春を予定。まずは近づく関西万博での運航を視野に、本格的な動きが見えてきた。

・開発はベンチャー企業が担当
製造を担うスズキに対し、開発を担当するのは愛知県豊田市に本社を構えるスカイドライブというベンチャー企業。NEC、スズキ、関西電力などが出資して2018年に設立された。航空機やドローンのエンジニアが集う有志団体「CARTIVATOR(カーティベーター) 」のメンバーが中心になっているという。このたびは、機体製造の合意にあたり、スカイドライブが100%出資の子会社を設立した上で、静岡県内にあるスズキグループの工場を活用。スズキは人材確保なども協力し、2024年春ごろの製造開始を目指す計画だという。

両社の結びつきは、2022年3月から始まる。事業化を目指して連携協定を締結、その後、同年9月にはスズキが出資して関係を強化してきた。事業と技術を提携する両社だが、スカイドライブ側は、空飛ぶクルマの機体メーカーとして、当初2人乗りの機体を開発していたが、2025年の大阪・関西万博開催では、大阪ベイエリアでのエアタクシーサービスの実現を目指し、このたび、3人乗りの機体「SKYDRIVE」にする設計変更を発表した。利便性の向上を目指し、コンパクトカーの製造、販売に強みがあるスズキの知見を活かしていくのが狙いとなる。また、スズキとしては、4輪はじめ2輪、マリンに続く新たなモビリティとして空飛ぶクルマへの事業参入を検討しており、事業が実現すれば、さらに多様な選択肢をユーザーに提供できるという考えがある。両社にとって、”無いものを持っている相手”と協業するため、”ウィン・ウィン”の関係を築ける形となる。

・新仕様は乗客2人乗りに
スカイドライブ社が当初開発していた空飛ぶクルマ「SkyDrive式SD-05型」は、最大搭乗人数が2名だった。当然、ドローンではないので、その内訳は操縦師1名と乗客1名という組み合わせとなる。万博のようなエキシビション会場でより多くの来場者の利用を考慮すると乗客1名では、正直利便性が良いとは言えない。運航会社やエンドユーザーらの要望もあり、最大搭乗人数を3名(乗客2名)へと設計変更したのが、SKYDRIVE」。独自開発したドーム型ローターフレームの特許申請が完了したと言い、12基のモーター・ローターを用いる。機体サイズはローターを含めて全長13?全幅13?全高3m(従来型は9.4?9.4?2.7m)とし、最大離陸重量も従来型より300kg重い1400kgに増加した。最大巡航速度は時速100kmと変わりないが、航続距離は従来の5-10kmより伸びて、およそ15kmとなった。
日本での運航目標が2025年の関西万博となるが、その前に必要となるのが「耐空証明」の取得。国土交通省のサイトには、新たに耐久証明を受ける場合のフローチャートが掲載されているが、設計はじめ、製造過程などの詳細を検査し、安全に航行できる性能を有するかどうかを証明すれば、認可が降りるというもの。なお、商用目的であるため、操縦師も技能を有するパイロットであることが原則とされる。同社ではこの耐空証明の取得後に2026年に型式証明を取得する予定としており、このあとに量産へ着手することとなる。

・関西万博での実用化について
開発が進む今回の空飛ぶクルマ。ヘリコプターのようなドローンのような小型飛行機であるが、ヘリコプターに搭載されるエンジンはなく、電動で駆動する。当然ながらヘリコプターのような大きな騒音もない。ドローンのように地上からの自動操縦ではなく、前述のように操縦師が搭乗する。一方、垂直離着陸が可能であるため、滑走路を必要としない。つまり、離着陸場所の自由度が高いために汎用性に富む。

なお、スカイドライブ社では、すでに2020年に「SD-03」でのデモフライトを成功。今年2月には、関西万博での「未来社会ショーケース事業出展」のなかで「スマートモビリティ万博」における空飛ぶクルマの運航に係る事業者に選定された。期間中は大阪ベイエリアでのエアタクシーサービスの実現を目指している。すでに大阪府、大阪市とは連携協定を締結、断続的に活動を実施しているという。なお、万博協会では、スカイドライブ社のほか、ANAホールディングスとタッグを組んでいるアメリカのジョビー・アビエーション、ドイツのヴォロコプターと提携する日本航空、またイギリスのバーチカルエアロスペースと提携する丸紅の4企業を選定している。この4企業が運航を手掛け、万博会場がある人工島の夢洲と大阪市内中心部の3箇所を結ぶ計画となっている。4企業による空飛ぶクルマの運航がスムーズに進むことになれば、関西万博でのパビリオンに負けじと劣らず話題を集めることになるだろう。

ガソリン車からハイブリッド、そして電気自動車へと自動車そのものも大きな変革期に入っている現在、この空飛ぶクルマの実用化がスピーディに進み、その利便性が高まってくると、将来的にはユーザー自体がクルマそのものを所有することがなくなり、公共性の高いモビリティとして空飛ぶクルマを選択することも決して”夢物語”ではなくなるかもしれない。



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