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10月は原油減産。日本は円安で厳しい状況

コラム (2022/09/13)

前回のコラムで、ガソリン補助金制度の現状について紹介したが、その原油を提供するOPECプラスが10月の生産量を減産で調整することが発表された。ここのところ激しく円安方向に推移していることもあり、日本におけるガソリン価格の高止まりにおいては、ますます厳しい状況に置かれることになりそうだ。

・増産から一転、下落を受けて減産に
今月5日、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)などOPEC加盟国およびロシア、メキシコなど非加盟の産油国で構成される「OPECプラス」の閣僚級会合がオンラインで開催された。この結果、10月は原油の追加増加を行わず、減少に転じることが決定。生産目標として、合計で日量4385万バレル強に引き下げられることになる。8月の生産水準に戻すという。遡ること8月上旬の同オンライン会議で、9月は日量10万バレルの小幅増産で合意していたが、ついに減産に舵を切ったようだ。これにより、2021年初から継続していた段階的増産は打ち止めとなる。ただ、既に7月から9月における原油需給は日量90万バレルの供給過剰になっていると言われており、この流れは2023年後半まで続く見通しとのことだ。

7、8月の2ヶ月の間は、日量64万8千バレルに上方修正し、世界各国におけるロックダウン解除後の経済再開や世界の製油所の摂取量増加における需要増に応えていた。しかし、6月末には9月以降の方針に対して言及を避けており、今回の減産に向けて水面化ではさまざまな調整等が行われていたと思われる。一つは、6月中旬ごろから原油価格が下落傾向にあること。また、現在の原油市場は実際の需要関係を適切に反映していないという声も関係者から上がっており、今後も減産を含む対応を取りかねないとしている。会合前は、ロシアが減産を支持しておらず、生産量を据え置く可能性も高いという話も囁かれていた。しかしながら、他の加盟国は市場価格の下落を重視しており、ロシアの提案は却られた形となった。

今回の方向転換によって減産される10万バレルは、世界における需要のわずか0.1%にとどまる。つまり、実際の市場での影響は限定的という見方もあるが、産油国が減産を決め、価格相場の下落を避けるための牽制を強めたという見方が広まり、結果としてアメリカ・ニューヨークの先物市場では、価格が上昇したとのこと。少しでも高く売りたい産油国の”事情”が見え隠れする。

・景気減速を見据え、先手を打つ産油国
長引くコロナ禍で、世界中で景気が減速している。世界一人口の多い中国は、厳しいコロナ対策により都市封鎖などで工場稼働が減少。その流れで需要が落ち込んでいるという。そして欧米や日本においては、急速に物価高が進み、景気が冷え込み始めているため当然のことながら需要も落ち込んでいる。インフレ抑制に各国の金融引き締めも逆風となり、原油需要が鈍化する傾向にある。一方で、ロシアはウクライナ侵攻による諸国からの経済制裁のため、自国産の流通が減少。このような状況では、産油量の増加をしたところで価格が下がるのは火を見るよりも明らかなのだ。

加えて、イラン産原油の国債市場復帰への牽制もありそうだ。対イランへの核開発制限の核合意がアメリカとイランの間で復活すれば、アメリカはイランへの経済制裁を解除する。そうなれば、イラン産原油の供給が増えることになり、総体的に需要が緩む。供給量が増えることは、つまり価格下落につながるため警告の意味も込めてOPECプラスが先手を打ったと考えられる。

産油国は価格下落を警戒し、早め早めの対策を打ち出す一方、欧米はじめ日本の消費国は依然として大幅増産を希望。価格高騰によって物価高を招き、消費者はマイカーを利用する機会を抑制する。負のスパイラルの中で解決策が見つからず、堂々巡りをしているようなものだ。さらに日本においては、最近、およそ四半世紀ぶりに1ドル145円という円安が急速に進み、まさに”あがったり”の状態。9月末に一旦期限を迎えることになっていたガソリンなどへの補助金制度も今年いっぱい継続する方向となっており、自動車ユーザーにとってはまだまだ”青色吐息”の状況が続くのは言うまでもない。



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