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中国を代表するEVブランド、日本市場へ参入

コラム (2022/07/23)

世界各国において開発、販売が加速している電気自動車(EV)。先頃、日本では日産自動車と三菱自動車が共同開発したEVがお披露目を経て6月から販売を始めているが、その市場に新たな参入メーカーが現れた。日本に上陸するのは、中国広東省深?(しんせん)に本社のあるBYD(比亜迪)だ。来年1月以降、小型SUVはじめ3車種のEVを順次売り出すという。他国の”お手頃”EVは、日本のユーザーのハートをゲットできるだろうか?

・BYDとは?
中国を代表する自動車メーカーであるBYD。社名のBYDは、「Buile Your Dreams」の頭文字だとも言われており、会社は1995年に中国の深?(しんせん)で設立された。設立当初はわずか20人という少人数でスタートしたベンチャー企業だったという。創業者は、中国の国家機関で電池に関わる研究をしていたが、起業後はニッケルカドミウム電池の製造を手始めに、2000年初頭にはアメリカのモトローラなど当時の携帯電話大手に向けてリチウムイオン電池の供給を開始。それを機に、モトローラが同社をサプライヤーに認定したことで急成長を遂げたという。

2008年には中国一の電池メーカーとなったBYDだが、それ以前から、会社として自動車産業への進出を意識。しかしながら、後発の自動車メーカーとしてではなく、今後の世界状況、それに合わせて変化が求められるであろう自動車市場を見据え、自社電池を用いたEV開発に着目したようだ。EVが主流となる頃に自社がEVメーカーの先駆者となるよう、2003年には起業するにあたって国有自動車メーカーを買収、電池はもちろんのこと、車体など主要部品の内製化を可能にした。当初はエンジン搭載車の製造、販売を続ける中、2008年には著名なアメリカの投資家であるウォーレン・バフェットが同社の株式のおよそ1割を取得。この行いが同社の株価急上昇を引き起こしたと報道されているが、同時に企業としての知名度も上がり、自動車メーカーとしての確固たる地位を手にしたと思われる。

世界中がカーボンニュートラルに向けて動き始めると、2013年以降は中国政府も多額の補助金を出してEV化を推進。同社はその追い風に乗ったようで、現在の時価総額はドイツ・フォルクスワーゲンを超えており、自動車メーカーとしてはアメリカ・テスラ、そしてトヨタに次ぐ世界第3位の水準を誇る。すでに乗用車、商用車を世界70以上の国と地域で展開しており、中国本土ではEVトップ販売台数を誇るのは言わずもがなだ。

・本国の中国では、トヨタのパートナー企業
思い起こせば、2021年に中国の上海で開催されたモーターショーにおいて、トヨタのブースで発表されたEV「TOYOTA bZ」のパートナー企業の一つとして、BYDの名前があった。その時は、中国本土で販売するトヨタのbzシリーズにおける車載用電池供給を契約したと伝えられた。日本の消費者にとってはBYDの名前に馴染みはなかったが、なんとすでに2015年から日本国内において商用車販売の取り扱いをスタートさせており、2018年からは自治体や事業者が同社のEVバスを購入。現在までに累計65台が販売されており、中でも国内EVバスにおいてはシェアの7割を占めるというからその浸透の速さに驚くばかりだ。

着実に日本市場へとターゲットを定めて乗用車市場への参入を表明したBYD。日本法人であるBYDジャパンが、2023年1月から「BYDオートジャパン」より順次販売を予定しているのは、EV3車種となる。まずミドルサイズSUVである「ATTO3(アットスリー)」を来年1月に発売予定しており、こちらは一足先に今年2月には中国本土での発売を開始している。サイズは全長4,455mm、全幅1,875mm、全高1,615mmとなり、航続距離は485km。続いて2023年中頃には、コンパクトハッチバック「DOLPHIN」(ドルフィン)を投入予定。こちらのサイズは全長4,290mm、全幅1,770mm、全高1,550mmで、中国では昨年8月から販売されており、月間1万台規模で売れている同社のベストセラーカーとして知られる。航続距離386kmということだ。そして同年下半期に発売予定されているのは、セダン車の「SEAL」(シール)。全長4,800mm、全幅1,875mm、全高1,460mmで、航続距離555kmと3車種の中で最高の航続距離を誇る。こちらは、本国でも5月に発売されたばかりの新車だ。

日本車と比較すると、”先頭バッター”のATTO3は日産のEVリーフに近いサイズ。近頃、日本のメーカーが発売を開始した軽自動車のEVは、国の補助金を差し引いた実質購入価格が180万前後ということだったが、あくまでも軽自動車ゆえに航続距離も短く、どうしても”ちょい乗り”感が伴う。一方、テスラのようなラグジュアリーカーになるとコンセプトも価格帯も大きく異なる。つまり、今の日本には”ちょうどいいあんばい”のEVがほとんどないと言えるため、結果的にBYDが日本市場に投入するEV3車種はちょうどこの”隙間”をつく価格帯となり、いわゆる”普通車のお手頃EV”としてアピールするにもってこいの存在となる。補助金を活用して300万円前後の価格帯で販売されることになれば、食指が動くユーザーがいてもおかしくはない。

現在もなお、日本ではハイブリッド車を選択する傾向が強く、また価格を含めてユーザーのニーズに合う車種が多くあるため、正直なところ思うようにEVへの移行が進んでいない。また、今年5月にトヨタが発売を開始した「bZ4X」は航続距離559kmを誇るものの、市販は行われておらず現在はリース専用として取り扱われとり、サブスクでしか利用することができない。それを考えても、BYDが手がけるような”お手軽”車種の開発に真正面から取り組んでこなかったと言われても仕方がない。一方で、注視されるのは中国で実績を積んできたBYDが、そのコンセプトを含めてどれだけ日本のユーザーに興味を持ってもらえるかだろう。日本のユーザーから見る”外車”は、高級車のイメージが強い。お手頃価格の輸入車には、そもそも縁がなかっただけに、BYDは自らが打ち出す自社EVのメリットを日本のユーザーにどこまで理解してもらい、購入につなげていくのかがこれからの取り組みになってくるはずだ。なお同社では、最近の手法であるウェブ販売ではなく、2025年末までに全国で100店舗以上の販売店を作り、アフターサービスも手がけるという構想を持つ。ディーラーサービスにおいてはシビアな目を持つ日本のユーザーにどこまで対応できるのか、その手腕にも注目が集まりそうだ。



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