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富士24時間レースに見る、カーボンニュートラル燃料の進捗

コラム (2022/06/18)

先日、静岡・富士スピードウェイにて開催された「ENEOS スーパー耐久シリーズ2022 Powered by Hankook 第2戦 NAPAC 富士SUPER TEC 24時間レース」。スーパー耐久シリーズの一戦ながら、日本で唯一の24時間レースとしての話題性も多いが、特に24時間レースならではの話題にも事欠かない。その中で一番の注目は、やはりカーボンニュートラル燃料でのレース挑戦だろう。トヨタが2年目の挑戦を迎える中、今年の富士24時間レースではその”仲間”が新たな挑戦に臨んだ。

・トヨタに続け! マツダ、スバル、そして日産の取り組み
2021年のスーパー耐久シリーズ・富士24時間レースで初めてお目見えしたのは、水素エンジンを搭載するORC ROOKIE Corolla H2 concept。ベースはカローラだった。24時間レースながら、実際にコースを走行した時間は11時間54分と半分にあと少し足らなかった。周回数は358周。トヨタによると、レースの3分の1はトラブルの対応に追われたとしている、。給油ならぬ”給水素”は30分に1度を目安として実施され、充填時間はおよそ合計4時間にも及んだ。この車両は、その後もシリーズ参戦を継続。まさにレースという舞台を”走る実験室”にして、データ取りを重ね、レーシングカーとしての進化を続けてきた。

そして迎えた今年の富士24時間レース。事前にROOKIE Racingファクトリーで行われた会見上では、TOYOTA GAZOO Racingの佐藤恒治プレジデントが水素カローラの開発、進捗状況を富士登山に例えて、次のようにコメントした。「市販化するまでに現在は4合目まで登ってきた。これから商用の用途、乗用の用途に向けてチャレンジをしていきたい」。さらに、ピット作業の一つである給水素についても言及。充填時間は5分から1分半へと短縮され、これも登山の4合目ぐらいに当たるとした。また、シリーズ参戦を続ける中、航続距離は約20%、出力は約20%、トルクは約30%それぞれ向上したと語った。実際、昨年のレースで水素カローラが刻んだベストタイムは2分4秒059だったが、今年のそれは1分59秒876まで短縮。大きな進歩を遂げたことがわかる。

また、このトヨタの取り組みに感化されるように、他の自動車メーカーも自分たちでできることを模索し始めた。レース決勝日に開かれた共同記者会見では、トヨタ、スバル、マツダ、そしてマツダの車両に使用したバイオ燃料を製造するユーグレナ社が立ち会った。トヨタのORC ROOKIE GR86 CNF ConceptとスバルのTeam SDA Engineering BRZ CNF Conceptは、ともに化石燃料を含まないバイオマスと大気から回収した二酸化炭素が由来となる炭素を使用した合成燃料を用い、マツダの「MAZDA SPIRIT RACING Bio concept DEMIO」は前述の化石燃料を含まない次世代バイオディーゼル燃料を用いていると発表。ちなみに、このバイオディーゼル燃料は、供給や流通体制の構築段階にあることから、1リッターあたり1万円ほど、10%の混合品であれば1000円ほどという高額のものだったが、ユーグレナ社では、次世代バイオディーゼル燃料「サステオ」の販売を今月上旬から名古屋市のガソリンスタンドで販売をスタートしており、この「サステオ」は、微細藻類ユーグレナ(和名ミドリムシ)と排食用油から作られており、販売価格は現在1リッターあたり300円前後で調整するというニュースが報道されている。

また、この共同会見には参加しなかったものの、レースウィークのサーキットでは、日産がST-Qクラスに参戦した2台のニッサンZ Racing Conceptのうち、1台はカーボンニュートラル・フューエル(CNF)を使用していると発表。用いたのは、ドイツのP1パフォーマンス・フューエル製の燃料だと明らかにした。この燃料は、食料と競合しないバイオ原材料を再生可能エネルギーを用いて電解、合成して作られた第2世代バイオ燃料だと伝えた。今後、同社はCNF車両でのレース継続の予定はないとコメントしたようだが、各社がそれぞれのスタイルで次世代のレースに向けてなんらかの方向性を持っているということは確かなようだ。

・トヨタが掲げる「つくる」「はこぶ」「つかう」とは?
スーパー耐久に参戦するドライバー「MORIZO」ことトヨタ自動車の豊田章男社長はも列席したファクトリーでの事前会見では、トヨタの取り組みに賛同した仲間が増えていることも紹介された。トヨタが起こしたアクションに賛同し、スーパー耐久シリーズで水素やカーボンニュートラル燃料を「つくる」「はこぶ」「つかう」企業や自治体が、8(2021年5月22日時点)から24(2022年6月3日時点)へと増えたという。エネルギーの選択肢の増加(つくる)、水素運搬量の増加(はこぶ)、エンジン性能や航続距離の向上、水素充填時間の短縮(つかう)など、さまざまな企業などがモータースポーツを通じて「サステナブル(SDGs)」への貢献に携わっていることがわかるだろう。

スーパー耐久は、アマチュアとそこに”助っ人”としてプロドライバーが加わって行われている”参加型”のレース。そのカテゴリーでさまざまな取り組みが進む中、当然のことながらプロドライバーによるレースにおいても次なる動きに着手している。SUPER GTやスーパーフォーミュラにおいても、今後どのようなアクションが正式に採用され、導入されていくのか__その進捗状況に注目が集まる。



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