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コロナそしてウクライナ侵攻の影響。国内の石油備蓄、追加放出へ

コラム (2022/04/12)

コロナ禍で原油価格の高騰が続いた昨秋。アメリカのバイデン政権の要請を受け、日本政府がこれに同調する形で、国家備蓄分の石油を一部放出することを正式に発表したことは記憶に新しい。そしてこのたび、さらなる追加放出が明らかになった。だが、この度はコロナではなく、ロシアのウクライナへの軍事侵攻による影響を踏まえてのことだ。しかもその量は、1500万バレル(約240万キロリットル)に及ぶ。さらには民間備蓄に留まらず初めて国家備蓄も使うことになるという。

・放出をめぐる経緯_アメリカからの要請
事の発端は、バイデン政権による石油備蓄の一部放出発表による。これに歩調を合わせるように翌日には早くも岸田政権が数日分に相当する備蓄放出を決定した。国内では、これまで備蓄する石油を放出したのは過去に5回。2011年の東日本大震災後には、製油所の一部が操業を停止するなど安定的に供給できない状況になったことを受け、民間備蓄のうち25日分を放出したり、同年6月のリビア情勢の悪化を受けて790万バレルを放出したが、これを最後に放出はしていなかった。また、外国からの要請を踏まえて国家備蓄分を放出した例は過去にない。そこで備蓄分の放出が初めてとなる日本政府は、実際にアメリカが売却を始めるまで”様子見”を決め込んだ。すると、バイデン政権は日本への要請から3週間あまり経ち、実際に1800万バレルの売却を開始。ようやく日本は売却開始を見極め、具体的な手続きに踏み込んだのはアメリカの売却開始から10日ほど経ってから。昨年末のことだった。

ちなみに、備蓄している石油も古くなることから、保管分を年に数回新しいものに入れ替えている。この際、入札によって石油元売り会社や商社に売却するのだが、もともとこの”ルーティン”は年明け3月以降に実施する予定をしていた。しかしながら要請を受けることになると、入札時期を前倒しして放出する形を取ることに。結果、第一陣として全備蓄分の0.2%にあたる約10万キロリットル(63万バレル)の売却を決め、年明け2月9日にようやく売却先が確定。続く第2弾として、備蓄の約0.6%にあたる約26万キロリットル(164万バレル)の放出を決め、4月20日以降に引き渡しが行われるという。

・ウクライナ侵攻の影響を受け、IEAが放出の協調行動に合意
一方、2月下旬になると、ロシア軍がウクライナへ軍事侵攻を開始。依然として大規模攻撃を続けており、その1ヶ月後には国外への避難民が400万人を越え、日本でも現在400人を超えるウクライナ人を受け入れたと伝えられている。しかしながら、ロシアとウクライナ両国で繰り返される停戦交渉は残念ながら思うように進んではいない。この状況を踏まえて世界の各国はさまざまな対ロシアの制裁を強化しており、そのひとつとして欧米の石油メジャーなどはロシア産原油の使用を自粛。この結果、供給量の不足に拍車をかけることとなった。また、3月1日には、国際エネルギー機関(IEA)の加盟国が協調して石油備蓄の放出を決定。ロシアのウクライナ侵攻に伴う原油価格高騰を抑制するため、計6000万バレルを強調放出するという計画を立て、うち日本政府として民間備蓄から750万バレル分(約120万キロリットル)を放出することになった。また、アメリカは3000万バレルの放出を決めたというが、日本の放出量はアメリカに次ぐものであり、750万バレルは日本の消費量の3~4日に相当する量になるという。

さらに今月に入ると、再度IEAは備蓄分の放出を決定。日本においては3月に決めた初回の放出量の倍増となる1500万バレル(約240万キロリットル)の放出を請け負うことになった。これは国内消費量の8日分程度に相当する。ちなみにIEA全体としては、計1.2億バレルを放出する。そのうちアメリカは6千万バレルに相当する量を放出、今回も日本はそのアメリカに次ぐ量の放出になるという。なお、アメリカはこれとは別に計1.2億バレルの放出に踏み切ることを発表。結果、IEAの加盟各国による全体の放出量は計2.4億バレルに上ることとなった。これほど大規模の放出をしてまで原油価格の抑制が必要なほど、世界における原油相場は極めて厳しい状況にあるということがわかる。また、今回の協調によって日本が放出する石油備蓄は当然ながら過去最大規模となるのは言うまでもない。しかも民間備蓄に加え、今回は初めて国家備蓄も使う。岸田首相は供給不足対策として「1978年に制度が始まって以来、初めて国家備蓄の放出に踏み切る」とし、「エネルギー市場の安定化は重要」と強調した。

このたびのIEAが決めた大きな決断により、原油相場は急落。石油輸出国機構(OPEC)およびロシアなどの非加盟国で構成するOPECプラスは、3月末の閣僚級会合において、5月もこれまで同様緩やかな増産ペースを維持すると決めており、IEAやアメリカが求める増産に応えない姿勢を崩していない。つまり、改めてOPECプラスと西側諸国の対立が鮮明になっているのがよくわかる。産油国と消費国の利害調整は決して容易ではなく、ロシアの存在も少なからず影響を及ぼしていると考えられる。今回のIEAによる協調放出分は、ロシアの原油輸出の現症部を概ねカバーできる計算だとも伝えられているが、備蓄放出には限度もあり、恒久的なものではないことは明確。結果として一時的な対応に留まるだけでなく、この先も長きにわたり原油価格の高止まりを増長させる可能性があることも視野に入れておくべきだろう。



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