中古車買取/販売・中古車査定情報,中古車検索やスポーツカー買い取り/査定のGTNET

ソニー、EV事業でホンダとタッグ

コラム (2022/03/17)

今年1月下旬の当コラムにおいて、ソニーがアメリカで開催されたCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)でEV参入を発表し、プロトタイプ車両を公開したことを紹介した。それから2ヶ月あまり経ち、そのソニーがタッグを組む企業がホンダになることが明らかになった。初期モデルを2025年に販売する予定という。エンジン搭載車の生産に見切りをつけたホンダとソニーが手を結ぶ、その訳とは?

・年内中に合弁会社を設立へ
CES会場のソニーブースでお披露目された「VISION-S 02」。SUVタイプのバッテリEVは、同社として2018年から粛々と開発を続けてきた”第2弾”にあたるプロトタイプでもあった。ソニーはこの場でEV事業会社「ソニーモビリティ株式会社」を設立、バッテリEVの市場投入を本格化させて量産化を検討していることを明らかにしていたが、本社こそ日本に置くものの製造はオーストリアのメーカーに委託する形になるという発表をしていた。そこからわずか2ヶ月で新たな”パートナー”としてホンダの存在が明らかになったのは、ある意味大きな驚きであり、他の国産自動車メーカーの心境やいかに!? というニュースだったと思われる。

3月4日、ソニーグループおよび本田技研工業の連名で発表された広報リリースによれば、両社は「新しい時代のモビリティとモビリティサービスの創造に向け、戦略的な提携に向けた協議・検討を進めることを合意した」と言い、合弁会社を設立して「高付加価値のエレクトリック・ビークル(EV)を共同開発・販売し、モビリティ向けサービスの提供と併せて事業化していく」意向で基本的な合意に至ったとしている。会社は本年中の設立を予定しているとのことだ。

・異例ともいえる異業種提携だが…
両社の事業提携は、電機と自動車というまったく異なる大手企業同士の”歩み寄り”になる。異業種提携は世界のEV事業者にとっても大きな注目を集めることになったはず。今回の提携において、ホンダとしては自社が「長年培ってきたモビリティの開発力、車体製造の技術やアフターサービス運営の実績」を、そしてソニーは同社ならではの強みである「イメージング・センシング、通信、ネットワーク、各種エンタテインメント技術の開発・運営の実績」をそれぞれ持ち寄ることで「利用者や環境に寄り添い進化を続ける新しい時代のモビリティとサービスの実現を目指す」としている。

エンジンを搭載しないEVは、海外_とりわけゼロ・カーボンを声高にうたう中国において新興企業となるEVメーカーが次々と産声を上げてきた。エンジンという特殊な開発技術が不問となるため、EVの進化によってクルマは”家電化”を推し進めている形だ。一方、長年にわたり日本の基幹産業として力を保持してきた自動車メーカーもエンジン車からEV開発へのシフトを余儀なくされており、正直”安泰”と言うのは難しい状況になっている。そんな中、トヨタや日産よりも早く「脱・エンジン車」を明言したホンダは、EVメーカーとして確固たる地位を築くため、自社のEV開発に留まることなくあえてソニーとの協業を選択したのではないだろうか。記者会見では、今回の提携はホンダ側の呼びかけにソニー側が応じる形で実現したことが明らかになった。本田宗一郎(ホンダ)と井深大(ソニー)というカリスマ創業者の存在が、のちに”会社のカラー”として消費者から高い支持を受けることになったことでも知られるだけに、「独創性にこだわるなど歴史的、文化的に非常にシンクロする点が多い」というコメントも理解できる。

・自動車らしからぬ自動車が生まれる!?
なお、会見ではCESでソニーが明言していた開発車両の委託についても言及。EV試作車の製造の提携関係は継続するとしており、模索中とも見て取れる。しかしながら、日本を代表するユニークな企業同士の提携によって生み出す”化学反応”を期待する声も大きいのではないだろうか。ソニーのビジョンは「モビリティ空間を感動空間へ」であり、ホンダの”クルマつくり”の力を得て「セーフティ、エンタテインメント、アダプタビリティの三つの領域を軸に、モビリティの進化」を形にしたクルマを目指していくことにある。一方のホンダは、2020年に「ホンダe」というEVを日本向けに発売したものの、思うように販売台数は伸びていない。トヨタや日産同様に、ホンダの”顔”となる本格的なEVの開発が急がれている。このたびのソニーとの提携により、IT関連の技術が蓄積された”ソニー色”との化学反応によって、ホンダならではのEVを誕生させたいという願いが伺える。独自性という意味では、アメリカ・アップル社のEV開発も気になるところ。先述のように、もはや”家電化”を避けては通れないこれからのEV開発において、エンタテインメント性を取り込んだモビリティの提供を重視していくことになるはずだ。

今後、両社では製造をホンダの工場で行う予定をしており、一方で音楽、映像という社内でのサービスにおいてはソニーが開発を担うこととなる。2025年に提携後のEV初期モデルをリリースするという大きな青写真が発表されたものの、会見では具体的な進め方を明確にすることはなかった。この点が唯一気になるところではあるが、ホンダとソニーというブランド力のコラボレーションは、これからも注目を浴びることに変わりはない。



車/中古車買取査定TOPへ > NEWS Report一覧 > ソニー、EV事業でホンダとタッグ
■無料査定 GTNETではこれまでの実績をもとにスポーツカーの高価買取を行います。
GTNETでは、新車・中古車・スポーツカー・スーパーカーなど様々な種類の車の販売・買取・査定・下取りなどを行っています。
◆中古車販売検索TOP
◆スポーツカー無料査定申込
◆新車情報
◆GTNET店舗検索
◆車/中古車買取・査定TOPへ

Copyright(C) 2008-2016 GTNET.inc All rights reserved.