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ソニー、SUVの試作EVをCESで公開

コラム (2022/01/24)

新年早々、アメリカ・ラスベガスにおいて開催されたCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)。業界向けの電子機器の見本市として知られるが、展示会では多くの新製品が出品されるほか、近い将来市販品の計画があるプロトタイプのお披露目も行われる。昨年は完全なるオンライン開催だったが、今年は急拡大した新型コロナウイルスのオミクロン禍で波乱もあったというが、別の意味で新たな波を起こしたのが、ソニー。EVへの参入にあたり新会社設立を明らかにしている。

・セダンを経て、今回はSUVを公開
現地会場のソニーのブースに展示されていたのは、「VISION-S 02」。SUVタイプのバッテリEVでプロトタイプ(試作車両)となる。車両自体は今回のお披露目が初めてだが、ソニーとしてプロトタイプのEVを公開するのは初めてではない。同社では2018年からEV開発に着手、2020年にはセダンタイプのプロトタイプとして「VISION-S 01」を公開した。今回、CESのブースにはこの01と02が揃って展示されていた。同じプラットフォーム(基盤)を用いて開発を進めているというが、これも同じプラットフォームで複数のEVを製造できるというコンセプトの検証に反映できるため、結果として今後バリエーション増加に繋げることができるのだろう。

CESでの発表にあたり、同社は2022年春にEV事業会社「ソニーモビリティ株式会社」を設立、バッテリEVの市場投入を本格化させて量産化を検討していることを明らかにしているが、日本国内における大手電機メーカーとして完成EVの量産検討を明言したのは初めて。日本の基幹産業として君臨する自動車製造だが、自動車メーカーではなく、”異業種”の自動車業界参入によって国内の競争環境にも少なからず影響が出ることとなるのではないだろうか。CESの場で「ソニーモビリティ」の本社は日本に置くことを明らかにしているが、製造はオーストリアのメーカーの委託する形になることも伝えられた。エンジンとガソリンを必要としない”これからのクルマ”作りを、ついに日本を代表する電機メーカーが手掛けることになりそうだ。脱炭素に限らず、デジタル技術向上がカギとなる自動運転の普及も、ソニーにとっては追い風であることに違いはない。

過去においても同社は電機メーカーらしからぬ商品を手掛けた歴史がある。その代表格が「aibo(アイボ)」だろう。イヌ型ロボットを世に送り出したのは、1999年。ロボット事業からの撤退が決まり、初期型は2006年まで「AIBO」として存在している。その後、エンタテインメントロボット事業に再度参入が決まり、2018年に再登場。以降「aibo」として現在も販売されている。なお、EVの開発を担うのが、このaiboなどを手掛けるAI(人工知能)ロボティクス事業のチームになるという。この事業はaiboのほか、ドローンの「Airpeak」も製造しており、この先、EV参入が実現のものとなり量産化が進めば、部品として必要不可欠となる半導体などの事業を強めることが可能になるため、EV参入は同社にとっては大きな魅力でもあるのだ。

・同社が考えるEVへの取り組み
同社のサイトには、EVへの参入にあたっての”3つの重点領域”が掲載されている。それは、こうだ。安心安全なモビリティ「Safety」、人に近づき、共に成長する「Adaptability」、モビリティエンタテインメント空間の深化「Entertainment」に対して取り組むとしている。安全面_Safetyにおいては、3Dを用いて立体空間を正確に把握、周囲360度に張り巡らされたセンサーで周辺環境の認識・把握をリアルタイムで行う。自動運転としては支援機能としてレベル2プラスのリリースに向け、機能検証を欧州で実施しているという。セキュリティやサービス機能への適応_Adaptabilityでは、ドライバー認証やパッセンジャーを見守るためのモニタリング機能を提供。ユーザーの好みに合わせ、新たに車両のディスプレイテーマや加減速音を設定できる機能をも提供する。さらには5G通信を含めたモバイル通信を用い、車両とクラウドシステムを連携。車両設定やキー施錠、ユーザーの設定が同期される仕組みを提供するという。もちろん、継続的な進化も怠らない。そして、同社の得意分野でもあるエンタテインメントをモビリティでさらに深化_Entertainmentにおいては、上質な音楽、映像のソフト提供にと留まらず、自宅のPlayStationにリモート接続してのゲーム体験、さらには新たにクラウド経由でストリーミングすることで多彩なゲームを楽しめるという”ゴージャス”な内容となっている。これこそが、ソニーとしての独自性を引き立てるアピールポイントになっていくはずだ。

欧州と日本の双方で開発が進み、2020年末には製造の拠点があるオーストリアでは公道での高速走行も実施しているとのこと。さらに2021年にはドイツにあるサーキットで5Gを用いて日本からのリモート運転も実現させたのだとか。”犬型ロボット”のアイボは、飼う人の”育て方”で個体のオリジナリティが植え付けられ、結果的に一匹一匹(一台一台とも言うが)が異なるものとして”生きて”いくことになった。エンタテインメントを得意とするソニーが目指すEVも、パーソナライズできる領域が他社のEVより広がりそうな期待感がある。もちろん、自動車としての本質_”命を預かる”乗り物である以上、当然のことながら外せない本質はあるのだが、EVとしてソニーならではのオリジナリティが脚光を浴びることになれば、この先、既存の自動車メーカーが手掛けるEVは、どのような”乗る楽しみ”を提供することを目指すのか。”異業種”の参入が、よりよいEVの深化に風を吹かせることになれば良いと思う。



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