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ブリヂストン、2業種売却へ

コラム (2021/12/23)

このほど国内最大手のタイヤメーカーとして知られるブリヂストンが事業再編を進めていると新聞各紙で報道された。2023年12月期までに世界で60工場を閉鎖・売却する計画があるという。コロナ禍で一旦業績は落ち込んだものの、徐々に回復の兆しがあると言われるなか、日本を代表するタイヤメーカーがおよそ8千人に転籍を求めることになる大規模な人員削減を行う背景に何があるのか?

・国内外22ヶ所の事業所を譲渡
現在、国内外に114も生産拠点があるブリヂストン。タイヤ事業では、フランス・ミシュランやアメリカ・グッドイヤーと並ぶグローバルなトップ企業でもある。日本国内のモータースポーツにもタイヤを供給し、かつてはF1グランプリでもコントロールタイヤを提供していたこともあり、知名度も高い。その大手タイヤメーカーが事業再編を進めることになった。まずは、グローバルなタイヤシェアにおける寡占の変化が理由としてあるだろう。2000年にはミシュラン、グッドイヤーをわずかに上回る19.7%のトップシェアを誇っていた同社だが、2020年には13.6%に縮小。代わってトップに立ったミシュランでさえ、15%に留まった。また、グッドイヤーにおいては20年前の半分にも満たないシェアとなり、この”世界3強”の寡占が約57%から約37%まで激減している。一方で、中国や韓国メーカーの低価格商品が攻勢をかけており、ボディブローのようにじわりじわりと長期に渡る苦戦が影響を与えていると考えられる。つまり、グローバルにタイヤを売るというモデルが通用しづらくなっていることがわかる。

同社では、すでに2021年2月の時点でおよそ3年をかけて世界およそ160ヶ所の工場のうち、2023年までに4割を閉鎖・売却などで削減する計画を打ち出していた。これに先立ち、2020年12月期の最終損益が233億円の赤字、しかも69年ぶりという赤字という結果も出ている。このときはコロナ禍で工場の稼働率低下が響いていたが、どうやら必ずしも今回の英断はコロナという一過性だけのものではないようだ。結果として、南アフリカ、フランス、そして中国におけるタイヤ製造工場の閉鎖へと舵を切ることとなった。一方、日本国内では、防振ゴム事業や化成品ソリューション事業を譲渡または閉鎖することになる。

・防振ゴム事業は中国企業に
防振ゴム事業は、自動車エンジン向けなどに使われる製品を製造する。もともと同社における防振ゴム事業は、同社の伝統と技術力を象徴する事業とも言われている。その売却先は、安徽中鼎控股集団になる。この中国企業は中国国内に30の子会社、海外にも10の子会社を持ち、非タイヤ・ゴム企業としては中国トップだと言われており、売却は来年2022年7月を予定している。現在、この事業には日本国内でおよそ1260人の社員が関わっており、本社のほか静岡の掛川や磐田、さらに御前崎に拠点を持つ。また、海外ではアメリカをはじめ、中国、タイ、インドに事業所を持ち、およそ2588人が携わっているという。

一方、化成品ソリューション事業では、自動車のシートパッドなどを製造する。こちらは、2022年8月に投資ファンドの「エンデバー・ユナイテッド」に売るという。日本国内では本社のほか、三重、静岡、山口、埼玉はじめ、多くの拠点があり、およそ1513人が関わっている。また、海外の事業所にはおよそ2525人が在籍する。防振ゴム、そして化成品ソリューションの両事業に携わる拠点と従業員は国内で11ヶ所、3千人弱となり、国内全体の従業員の1割弱に、また拠点としては2割強に該当するため、異例の規模として受け止められている。新聞各紙の見出しでは”国内外で8千人の転籍”という表記ではあるが、同社を離職する、という意味では大掛かりなリストラ決行ともいえる。また、譲渡される事業所とは別に、売却にあわせての工場閉鎖という事態に追い込まれる工場もある。2023年までには埼玉(上尾市)、静岡(御殿場市)、岐阜(安八町)、香川(三木町)の4拠点が該当するという。

収益性が上がらない非タイヤ事業においては、2023年12月期に現状の5割減の打ち上げ高まで縮小する見込みだというが、このように経営見直しを進める一方、タイヤ事業そのものにおいても改善は待ったなしの状況となっている。それが、世界的に広がる「脱炭素」の流れだ。ガソリン車に見合うタイヤの製造ではなく、経営の主軸となるタイヤにおける高付加価値化を目指していかなければならない。同社では、2030年までに市販用タイヤの9割をEV用にシフトしていくという。軽量化を進め、EVの航続距離増長を助長するものだ。さらに効率化を目指し、車両データを使った保守サービスに活路を求めるとのこと。このサービス事業では、車両から収集した走行データをもとに、タイヤの摩耗を分析。燃費改善や適時の保守点検を促すとしている。すでに2019年には車両管理を手掛けるオランダ企業を買収済みで、2024年以降にはこの事業をタイヤ販売に次ぐ中核事業として注力するという。”ゴム”という広範囲に渡る事業を刷新し、”タイヤ”そのものに経営をフォーカスするシビアな断行が、この先の同社の”在り方”になっていくことに違いはない。



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