中古車買取/販売・中古車査定情報,中古車検索やスポーツカー買い取り/査定のGTNET

EVへの移行が進む自動車業界、OTA実施も加速

コラム (2021/07/16)

我々の生活の中で、今や”有ること”が当たり前となったインターネット。住宅設備においては、IT技術を利用し、IoT(ものをインターネット接続すること)やAI(人工知能)を活用したスマートハウスが徐々に浸透しつつある。一方、EV(電気自動車)へのシフトが進む自動車業界においても、IoTが精力的を取り入れ、ひいてはソフトウェアのアップデートを実施しようという動きが出てきた。

■VW、新世代車両にOTAを実施へ
先日、EU(ヨーロッパ連合)の行政府の欧州委員会がとある案を発表した。それは、2035年にガソリン車の新車販売を事実上禁止するというものだ。また、この「ガソリン車」にはハイブリッド車(HV)も含むとしている。現在、欧州では中国同様にEVへのシフトが進んでいることから、日本の自動車メーカーはこの発案の実施を視野に入れた戦略の見直しが迫られるのは言うまでもない。

ガソリン車かEVか、という議論がまだまだ存在する一方、EV化へとかじを切り、加速させている欧州のメーカーでは、EVとともに進むクルマのIoTの面でもライバルに先手を打つところが出てきた。今月上旬、ドイツのフォルクスワーゲンが発表したのは、同社の「ID.ファミリー」にOTAによるソフトウェア更新を初めて実施する、というものだった。「OTA」とは、Over The Airの略で、名称にはさほど馴染みがないと思う方がほとんどだろうが、実は、OTAの技術は今や私たちの日々の生活において導入されている。その最たるツールがスマートフォンだ。時折、所持するスマートフォンに搭載されているOSTやアプリのソフトウェア更新を伝えるメッセージが届いているのはご存知だと思うが、OTAも同じようなものだ。無線通信を経由してデータを送受信、ソフトウェアを更新するために必要なのが、このOTAの技術なのだ。

VW車は、同社の車両に初めてソフトウェア更新を実施することを決めた車両は量販EV「ID.3」。2020年9月に納車が始まったばかりの”ニューフェイス”だ。さらに同社では、「ID.3」に続き、「ID.4」と「ID.4 GTX」も、無線通信によってソフトをID.Software2.3に更新していくことを明らかにしている。この取り組みは今後も継続的な実施を予定しており、将来的には12週間ごとのソフト更新の提供を目指すというコメントを残している。今回、「ID.3」へのOTAでは、車室内の照明システム「ID.Light」の機能強化や周辺監視システムやヘッドランプの改善、インフォテインメントシステムの操作性やデザイン性の向上など行うとのことだが、VW社の取り組みによって、ライバルメーカーにおいてもOTA導入の着手を迫られる可能性も高い。

ガソリン車であっても、ECUやカーナビへのソフトウェア更新は必要であったが、ガソリン車よりもIT技術がふんだんに取り入れられているEVでは、より一層ソフトウェア更新の頻度が高くなってく。近い将来、本格的な技術導入が見込まれる自動運転が車両に搭載されることになれば、なおのことOTA導入が本格的なものとなることだろう。

■導入によるメリット・デメリット
日本国内では、2020年に車両運送法の改正により、車両保安基準にOTAやそれを前提としたセキュリティ要件が追加されることとなった。以前は、ソフトウェアの更新にあたり、ディーラー等へクルマを預けるのが当たり前であり、これによってナビゲーションシステムの地図データのアップデートや、クルマ修理による制御プログラムを修正が行われてきた。

しかし、車載通信機などの活用によってOTA導入が可能となれば、これらの作業はディーラーなしで完了が可能となるため、ユーザーは出向く手間や時間、作業する側はその労力そのものが不要となり、迅速な対応とコストカットにもつながる。なによりも、仮にリコールなどの不具合が発生したときには、OTAを介してその改修が可能となるため、迅速な危険回避という点でもメリットはかなり大きいと言える。ただ、メリットがあればおのずとデメリットも見えてくる。スマートフォンやパソコンでは、AndroidやiOS、Windowsといったプログラムを実装するためのベースとなるOSの共通プラットフォームを持っているのだが、片やIoT機器におけるプラットフォーム化は進んでいない。つまり、各メーカが自前でシステム構築する必要があるのだ。結果、開発はもとより運用のコストが膨大なものとなり、その代償として、ソフトウェア更新すべてが必ずしも無償になるとは限らないという厳しい現実が見えてくる。

だが、比較的上質なコンディションのユーズドカーが手に入る日本のマーケットで考えた場合、今後、OTA化が進む中でユーズドカーへのOTAが有償ばかりになると、ユーズドカーのマーケットそのものが冷え込んでしまわないだろうか。新車として世の中にお目見えしてから、少なくとも10年前後は”現役”として走るクルマとしてメーカーがサポートするためには、必要不可欠のソフトウェアは無償で更新してもらいたいものだ。もちろん、ソフトウェアならではのリスクとして、セキュリティの強化も欠かせない。これからのクルマは、単なる”走るツール”でななく、通信につながる”コネクティッドカー”になっていくことを念頭におかなければならない。



車/中古車買取査定TOPへ > NEWS Report一覧 > EVへの移行が進む自動車業界、OTA実施も加速
■無料査定 GTNETではこれまでの実績をもとにスポーツカーの高価買取を行います。
GTNETでは、新車・中古車・スポーツカー・スーパーカーなど様々な種類の車の販売・買取・査定・下取りなどを行っています。
◆中古車販売検索TOP
◆スポーツカー無料査定申込
◆新車情報
◆GTNET店舗検索
◆車/中古車買取・査定TOPへ

Copyright(C) 2008-2016 GTNET.inc All rights reserved.