中古車買取/販売・中古車査定情報,中古車検索やスポーツカー買い取り/査定のGTNET

ホンダ、パワートレイン生産終了にユーザー震撼

コラム (2021/06/19)

今年4月、多くの企業が新たに社長を迎えたように、ホンダも9代目となる社長が新たに就任した。その就任会見で新社長の口から語られたひとつにカーボンフリーへの取り組みがあった。その中で気になったのは、四輪車への電動化を進める中で、「2040年には電気自動車の販売比率を100%にする」というものだった。長い間、F1をはじめ、グローバルにモータースポーツへの挑戦を続けてきたホンダは、この先、エンジン製造終了に向けて歩み始めている。

・2040年以降はEVとFCVのみに!?
今年4月下旬に行われた就任会見。三部敏宏社長は地球環境への取り組みに触れ、自動車メーカーとしてカーボンフリー、つまり二酸化炭素を排出しない目標達成に向け、「先進国全体での電気自動車(EV)、燃料電池自動車(FCV)の販売比率を30年に40%、35年には80%にすることを目標」にするとし、さらに「40年にはグローバルで100%」を目指すと説明した。この社長コメントは、2040年までにエンジン搭載車ではなく、EVおよびFCVのみを販売するということではないかと受け止められ、自動車メーカーの中でもエンジンを得意としてきたホンダの行く末を懸念する声が上がった。

三部社長のコメントはあくまでも「先進国全体」であり、それは「北アメリカ、中国、日本」が主要市場であり、その他の地域ではまだエンジン搭載車の販売は継続されることになる。グローバルな市場として大きな比率となっている北アメリカ、中国は現時点で日本以上のにカーボンニュートラルへの取り組みが進んでおり、各自動車メーカーへ求めるハードルも高い。よって、2040年までの目標設定の数値を大きくしていることがわかるだろう。その証拠に、すでに同社では北アメリカ向けの市場においてアメリカのゼネラル・モーターズ(GM)と提携を強化しており、同社との共同開発で大型のEVを投入する計画が進行中。ホンダとアキュラブランドで展開し、これらの車両にはGMのEV向けバッテリー「アルティウム」を採用するとしている。一方、中国では現地法人での動きが始まっており、中国専用EVを3車種にて展開。会見では「今後、5年以内にEV10車種を投入する」と予告発言している。また、これらの車両には、中国の車載電池最大手である寧徳時代新能源科技と連携していると言い、北アメリカ同様、現地でのEV作りに注力していることがわかる。具体的には、2022年春には量産車の発売を予定しているという。

そんな中、お膝元である日本での推移はどうなるのか。「EV、FCVの販売比率を30年に20%、35年に80%、40年に100%」と北アメリカと中国よりは緩やかな数値設定に留まっている。これは、日本における市場との関連を考慮する必要があるためだ。現在、日本ではハイブリッド(HV)仕様が高い普及率を保持している。加えて、ホンダは軽自動車の販売に強みがあるため、会見では2024年に軽自動車のEV投入を明らかにした。販売台数の多さからEV率を大幅に引き上げるのが狙いであることがわかるだろう。

・2025年、エンジン部品工場を閉鎖へ
EV化へと一気に舵を切ったホンダの長期化戦略。さらに今月に入ると、四輪車のエンジン部品工場の閉鎖発表が報道された。エンジン部品やエンジン車の駆動部品を生産している工場で、栃木県真岡市にある。EVへのシフトが高まる中、エンジン部品の生産が目減りするのは言うまでもなく、この工場でのパワートレインユニット製造部の生産を終了するという。同社によると、今後、部品生産は国内外の完成車工場などに移行。およそ900人いる従業員の配置換えも進めて行くという。

結果として、ホンダは日本の自動車メーカーとしてはじめてガソリンエンジン車撤廃を掲げたわけだが、4月の社長就任会見では「EVかFCVにする」という目標であったものが、ここへきて方向転換が見られた。というのも、6月17日、同社が発売中のFCV「クラリティ フューエルセル」の生産を8月で中止することが明らかになったのだ。2016年の発売以降、実際として販売が振るわない同社のFCVだが、主に日米の市場でリース車両として販売を続けてきたものの、800万近い価格がネックであり、さらに燃料として必要な水素の充填設備の普及が思うように進まなかったことが足かせにもなった。事実、クラリティは2020年の販売(国内外)で240台、発売以来世界販売台数はおよそ1900台に留まっていた。インフラ設備の普及が進まないという背景がある限り、これ以上の投資を継続するのは厳しいという判断ではあるが、先日トヨタが水素燃料をベースとした車両の開発・普及の訴求の一環として水素燃料車によるレース参戦に挑戦したことを考えると、真逆の選択をしたことになる。ホンダによるFCV撤退により、国内の水素ステーション整備実現のスピードが鈍化しなければよいのだが。

さらにホンダは電動化を推し進めるため、長い間高い人気を誇ってきたミニバンの「オデッセイ」と高級セダン「レジェンド」の国内生産も今年いっぱいで取りやめる方針を明らかにしている。4月の新社長就任後、大きく切られた舵により大海へと漕ぎ出した「ホンダ丸」は、荒波に真正面から立ち向かっているように感じられる。



車/中古車買取査定TOPへ > NEWS Report一覧 > ホンダ、パワートレイン生産終了にユーザー震撼
■無料査定 GTNETではこれまでの実績をもとにスポーツカーの高価買取を行います。
GTNETでは、新車・中古車・スポーツカー・スーパーカーなど様々な種類の車の販売・買取・査定・下取りなどを行っています。
◆中古車販売検索TOP
◆スポーツカー無料査定申込
◆新車情報
◆GTNET店舗検索
◆車/中古車買取・査定TOPへ

Copyright(C) 2008-2016 GTNET.inc All rights reserved.