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トヨタが手掛けるウーブン・シティってどんな都市?

コラム (2021/03/18)

前回のコラムで、アップルがEV生産に着手していることについて触れたが、長年にわたり自動車製造メーカーとしてそのマーケットを牽引してきた日本の自動車会社のひとつ、トヨタは「未来の街」を作ろうと動き始めた。クルマ作りからITを多用した次世代、近未来の街を手掛けるものだ。これまで見たことのない、新たなビジネスモデルがぎっしりと詰まった街を作る狙いとは?

・ウーブン・シティ、日本初のコネクティッド・シティに
2020年1月。アメリカ・ラスベガスで開催された世界最大級の家電および技術見本市のCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)において、トヨタ自動車の豊田章男社長が新たなスタイルの街づくりに着手することについて言及した。「富士山の見える場所で、新たな種類の都市を生み出す機会になる」と記者会見で語り、静岡県裾野市に「ウーブン・シティ」という名の実証実験都市を手掛けることを明らかにした。その2年前の「CES2018」では、トヨタは自動車を製造し、販売を行う自動車メーカーという立場から、ITを活用し、人々の移動に関連する多様なサービスを提供する「モビリティカンパニー」を目指すと宣言しており、「ウーブン・シティ」の建設計画はトヨタとしての会社の位置づけをスライドさせる大きな一歩になるであろうことを強く印象付けることとなった。

もちろん、この類の新都市計画を構想するのはトヨタに限ったことではない。あらゆるモノやサービスがつながる実証都市「コネクティッド・シティ」に着手しているのは、アメリカのグーグルやアマゾン、さらにはウーバーに及ぶ。移動サービスはもとより、街づくりにおいて、生活に必要な基本サービスすべての提供を目指して開発に取り組んでいるという。かたや、トヨタが「ウーブン・シティ」として選んだのは、トヨタ自動車東日本の東富士工場の跡地。53年間、多くの自動車を製造してきた縁ある場所に、新たなトヨタのビジネスモデルを生み出すことを目指している。前身の関東自動車工業の時代を経て、トヨタの最高級車であるセンチュリーやワゴン型のジャパンタクシーを製造してきた工場では、およそ1100人の従業員が従事していた。裾野市はトヨタの”城下町”でもあっただけに、自治体にとって工場閉鎖は大きな影響が出るという懸念もあったが、新都市計画構想が明らかとなり、地域再生という活路がおぼろげながら見えている。

・街で検証される技術とは?
街として稼働することを4年以内に設定し、先月2月23日には地鎮祭が行われ、建設がスタート。街は150mx150mの土地を1区画として、その区画ごとにさまざまな実証実験を行うとしている。街の”足”として採用するのは、同社が開発する電気自動車「eパレット」。この自動運転車両を「必要なときに、必要な場所へ、必要な台数を配車」することで、住人は待ち時間なしに移動が実現する。一方で、住人自身が運転可能なパーソナルモビリティも装備されるようだ。

街づくりの実証実験には、いわゆる発明家の存在が不可欠となる。ウーブン・シティには技術やサービスのスペシャリスト(発明家)が住み、そのテクノロジーを活用する高齢者や子育て世代を入居させる計画がある。そのわけは、多岐にわたる社会問題や課題の解決と直接向き合うことで、利便性を追求する必要があるから。課題を解決する発明家には、居住制限を設けて成果を求めるとしている。同社では、他業種との連携を目指し、発明を生み出してくれる国内外の先端技術をもった企業、団体さらには個人を「パートナー」として迎え入れており、これまでにおよそ3千を超える応募があったとのことだ。すでにパートナー企業として明確になっているのはNTT。最大のパートナーとして昨年3月に業務資本提携を済ませている。通信最大手とは「スマートシティプラットフォーム」を構築。ウーブン・シティに先駆ける形ですでに東京都港区品川エリアにおいて事業化に取り組んでいる。東京駅にほど近い大手町や丸の内、有楽町のエリアにおいてさまざまな実証実験を進め、「働く」ことと「動く」ことの効率化を追求。近いうちに丸の内を南北に貫く通りにおいて低速の自動運転バスを稼働させる予定と言われている。なお、現時点で同社が明らかにしているウーブン・シティでの検証技術は、「自動運転」「Maas(モビリティ・アズ・ア・サービス)」「ロボット」「スマートホーム」「AI」の6つ。新たな街づくりでトヨタがパートナーとの協業を進めていく可能性も存分に秘めているようだ。

このウーブン・シティ。正式にはトヨタ自動車などが投資した子会社「ウーブン・プラネット・ホールディングス」グループが手掛ける。新たな街づくりのPRに表に立ってきた豊田章男社長も、この子会社に個人で出資しているという。EVの導入が不可欠な昨今、エンジンを搭載するガソリン車やハイブリッド車を開発し、製造するという従来のビジネスモデルでは、もはや生き残れないことへの危機感を誰よりも感じている社長が肝煎りで新たなビジネスを推し進めているということになる。もともと織機メーカーとして産声を上げたトヨタは時代の流れを先読みして自動車メーカーへと転身を図ったことで知られる。ちなみにこのウーブン、英語で「織られた」を意味するという。網の目のように様々な先進技術を織り込んだ新たな街を作り上げることが、次世代トヨタが描くビジネスモデルになっていくようだ。



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