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パナソニック、テスラへのEV電池生産増の先に何が見える?

コラム (2020/08/31)

ガソリン車に代わり、じわりじわりと生産台数、購入台数が増えつつある電気自動車(EV)。日本国内ではまだ浸透率は正直高くないが、自治体などの公的機関が積極的に取り入れたり、環境問題等に高い関心を持つ富裕層のクルマフリークが外国車のEVを”オシャレ”に乗りこなすなど、少しずつ市民権を手にしつつある。一方、海外ではEVのみを生産するメーカーも増えており、その筆頭として地位を確立しているひとつがアメリカ・テスラ社だといえる。そのテスラに電池を供給しているパナソニックが、このほど電池増産に着手。対テスラの事業は長らく赤字だったというが、増産強化の先に見えるものはいったい何なのか?

・増産により追加投資は百数十億円!?
パナソニックがテスラ社に供給する電池の生産増強を明らかにしたのは、8月下旬。アメリカのEV最大手のテスラとは2017年から電池の共同生産を行ってきたが、長らく赤字事業として負担が増えていた。というのもテスラ社の車両量産が手こずり、投資ばかりが先行していたからだ。パナソニックとしてはテスラとのタッグによって電池事業が同社の成長の柱になり得るという観点から、2千億円を超える投資を行ってきたものの車両量産とのバランスが取れず、当然のことながら電池事業にも影響が出ていた。結果、自動車関連は赤字が続き、2020年3月期の時点で466億円にも膨らんでいたという。

そんな中、”難産の末に生まれた車両”が次第に成長。新型セダンの「モデル3」などの販売が好調である上に、今後はSUV(多目的スポーツ車)の新型となる「モデルY」が本格的に量産を開始する。また、テスラ社は今年4~6月期(第2四半期)決算で4四半期連続の黒字となり、今後、アメリカでの第2拠点に位置づける自動車生産工場がテキサス州に建設されることも明らかにしていた。事実、コロナ禍でもテスラの車両は高い人気を継続しており、結果的に電池事業も利益が出せるようになった。つまり、パナソニックにとって、これまでつぎ込んだ投資額が赤字から黒字へと転換できる待望の追い風が、ようやく吹き始めたというわけだ。

同社は、この発表を前にした7月下旬に2020年4~6月期の決算会見を実施。売上高が1兆3919億円(前年同期比26.4%減)、営業利益は37億円(同93.3%減)となり、当期純損失は前期の497億円の黒字から98億円の赤字になったと明らかにした。このように業績が厳しい一方、テスラ社からは本格化する量産に必要な投資を、同社のイーロン・マスク社長直々にリクエストされるという苦渋の選択を迫られた。協議の結果、テスラ社の要件に応じる判断を下して生産能力を1割ほど増やす結論に至ったのだが、結果として投資額は百数十億円になると報じられた。

結果的に、テスラ社のアメリカ本土の工場におけるパナソニックとの”蜜月関係”は極めて順調の様子。赤字続きからようやく黒字へと転換を迎え、今後はさらなる発展を期待できると考えられる。

・アメリカ工場はパナ、中国の新工場では…
アメリカのネバダ州にある「ギガファクトリー」は、テスラ社とパナソニックが共同運営する電池工場。ここへの投資が赤字を生み続けたことで、パナソニックの屋台骨にも影響は広がり、同社では車載事業を成長の柱から外す決断をしていたが、再び新たな投資の実施へと方針を転換。もちろん、この決断が吉と出るか凶と出るかを判断するにはまだ時期尚早ではあるだろうが、ここへきて両社の間に暗雲が立ち込めているのもまた事実だ。

というのも、テスラ社は中国でのEV生産を本格化。現在、上海浦東空港の南40キロに位置する上海臨港新区の中に、東京ドーム18個分とも言われる敷地面積86万平方メートルの巨大工場「ギガファクトリー3」を設け、EVの生産を開始しているからだ。中国の工場で用いられているのは、中韓勢が車両用電池を納入しており、パナソニックの出番はない。パナソニックの独占供給が崩れたのだ。ガソリン車を生産せず、国産EV生産に尽力する中国にとって、自分たちが手掛けた電池を装着することが何よりの成果につながることは確か。逆にテスラ社にとっては、パナソニックよりも性能面では劣るものの、コスト面で優位に立つ中国や韓国産の電池を用いるほうが販売コストも抑えることができる。”ウィン・ウィン”の関係に、残念ながら日本勢は割って入ることができない状態だ。

パナソニックとしては、成長著しいEVに搭載する電池を一社でまかなうのは不可能と捉えており、結果的に中国市場での事業展開を選択しなかったと強調。その判断が同社のテスラ事業を再び黒字へといざなうことができれば、収益回復の成功例として評価されることだろう。



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