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トヨタ、ソフトバンクとの提携に何を見る

コラム (2018/11/02)

10月4日、トヨタ自動車とソフトバンクの両社は、移動サービス事業での提携を発表、記者会見に臨んだ。日本を代表する大企業が、今後本格化する自動運転車を利用した共同事業を開始するという発表は、少なからずとも驚きであり、話題を集めることとなった。電撃発表となった両社による「日本連合」の狙いはなにか。そして、トヨタはなぜソフトバンクと組み、共同事業を開始するのだろうか。

・自動車の定義が変わる将来に向けて
会見では、提携によって、今年度から配車サービスや自動運転車の宅配などを手がける新会社を共同設立することを発表。「モネテクノロジーズ」という名の新会社の準備期間はわずか6ヶ月。資本金は20奥円、出資比率はソフトバンクが50.25%、トヨタが49.75%となっており、将来的には100億円まで増資を視野に入れている。

新会社の主たる事業はモビリティサービス。内容として、1)オンデマンドモビリティサービス、2)データ解析サービス、3)自動運転事業の3本が柱になる。「仲間を巻き込んで、未来のモビリティ社会を現実とするための提携」と会見でコメントしたのは、トヨタの豊田章男社長。自動車業界は近年慌ただしく、さまざまな様態が入り込み、単なる「自動車」という個体を製造して消費者に販売するというスタイルに取って代わる事業形態が次々と生まれている。自動車には自動運転の技術が取り入れられ、サービスとしてはライドシェア(相乗り)を意識するようになった。さらに都心部ではクルマを持たない選択が増え、かつてのように自動車が個人の所有物としてステイタスを示すものでもなくなってきている。今後、次世代の自動車サービスが充実すれば、人々にとって、自動車は個人の所有物ではなく、移動サービスのひとつとして認識されるようになることも考えられる。

つまり、トヨタとして、従来のビジネスモデルでは生き残れないという危機感があるのは明らか。これまでも次世代のクルマの在り方として、物流から人的移動に留まらず、移動型オフィスや店舗などに利用できる「e パレット」という自動運転車コンセプトをすでに発表。2020年代後半の実用化を目指していることは、以前、このコラムでもお伝えしている。その活用を広げるために白羽の矢を立てたのが、ソフトバンクだったのだ。

・両社の提携による「日本連合」の誕生
「情報革命で人々を幸せに」というビジョンを持つソフトバンク。そこにトヨタの考える「移動の自由をすべての人に」という思いが乗っかれば、安心と快適なモビリティ社会が実現するのではないか…。トヨタの狙いは、ソフトバンクが取り組む事業にも大きく関係しているものだった。トヨタでは、e パレットを相乗りに使うことを前提に、協業するアメリカのウーバー・テクノロジーズへ出資していたが、そのウーバーの筆頭株主はソフトバンク。トヨタは事業の方向性を共有すべきと判断し、その必要性をソフトバンクに説いて提携を持ちかけた。

一方、携帯電話市場で躍進を続けてきたソフトバンクにとって、次なる事業としてターゲットにしているのが、AI(人工知能)を使った先端技術を操る企業への投資だ。配車サービスの企業への出資はウーバーだけに留まらない。グラブ(シンガポール)、滴滴出行(中国)、オラ(インド)といった大手4社の筆頭株主として出資している。

ソフトバンクの投資内容としての配車サービスや自動運転が占める割合は大きく、この他、自動車関連の様々なベンチャー企業にも出資していることから、トヨタとしてもソフトバンクの存在が気になっていただけに、このたびの提携によってともに自動車関連での優位性が高まることへの期待もあるはずだ。モビリティに強いトヨタとAIに注力するソフトバンク。この2社の提携で、新時代のモビリティの在り方に拍車がかかるのではないだろうか。

今後、新事業として精力的に取り組むことが予想されるのは、社会問題になっている「交通弱者」のサポートだ。過疎地の高齢者たちへの配車サービスの実現には、地方自治体や国を巻き込んでいく必要がある。現在、日本ではライドシェアなどの次世代ビジネスにおいて、自家用車でのライドシェアは「白タク」扱いとして禁止している。さらに公道での自動運転車の環境整備に関してもまだまだ。トヨタとソフトバンクによる新会社が目指す事業実現には、法制面の規制緩和を要求する動きが含まれている。日本を代表する大企業の2社がこぞって法整備への働きかけを行うことで改正が進めば、アメリカのアマゾンなどが積極的に実現化を目指す無人運転車による宅配サービス等の事業が一気に加速する可能性もある。日本における自動運転車を使った事業の実現および拡大は、トヨタとソフトバンクが仕掛ける”次なる一手”に懸かっているのかもしれない。



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