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トヨタ、スープラ復活へ。その狙いとは?

コラム (2018/03/08)

現在、スイスで開催中のジュネーブ国際自動車ショー。その会場において、トヨタがある車両を世界初公開した。その車両とは、「スープラ」。誰もが認める同社のスポーツカーだ。看板車両として人気を誇った「スープラ」は、2002年に一旦生産を終えたのだが、今回のお披露目車両は復活版となるレーシング用の試作車。目下、レース参戦車両としての用途に留まるとしているが、その先に見据えるのは、市販車としての復活ということになる。

・スポーツカー復活にむけて
8日から一般公開がスタートするスイス・ジュネーブ国際自動車ショー。世界5大自動車ショーのひとつとして知られるこのイベントの場で、トヨタはプレスカンファレンスの場で新たなる「スープラ」をお披露目した。世界初公開となったのは、新型GRスープラレーシングコンセプト。16年ぶりの新車としてアン・ヴェールされた車両は、あくまでもレーシングカーではあったが、この車両を踏襲した市販車のスポーツカーが、いよいよ復活することを示唆するものであったのは明らかだ。

ここで少しばかりスープラの歴史についておさらいすることとしよう。その名前が誕生したのは1986年、だが、車両の誕生は1978年とされ、もともと「セリカXX(ダブルエックス)」と呼ばれており、3代目として誕生した「A70型」から「SUPRA(スープラ)」の名称が採用され、発売されるようになった。続くスープラとしての2代目(A80型)は、1993年に誕生。2002年まで製造された。生産終了の裏にあったのは、平成12年度排ガス規制に対応できなかったためだが、それまでの間、トヨタにおけるスポーツフラッグシップカーであったことには違いない。そして、ジュネーブのプレスカンファレンスから漏れ伝わってきたのは、2019年前半に日本を含む世界各国での市販車発売計画だ。現在、業界における人気車両をSUVが占める中、改めてトヨタとしてのスポーツカー復活を目指すことになる。

・コンセプトカーは、ドイツで開発
GRスープラレーシングコンセプトは、フロントエンジン&リアドライブの2ドアクーペ。なめらかなボディラインに大振りなリアがインパクトを与えている。車両の開発を担ったのは、同社の欧州のモータースポーツ活動拠点となるドイツの「トヨタ・モータースポーツ有限会社」。車両は往年のスープラをイメージしながら製作されたという。サイズは全長4575×全幅2048×全高1230mm、ホイールベースは2470mm。ボディには軽量かつ高剛性のカーボンコンポジット材をおもな素材として採用した。

なお、開発にあたっては、ドイツ・BMW社との共同であることも明らかになっている。エンジンのラインナップとして、搭載されるのはいずれもBMW社製と言われており、3リッター・直6ターボとチューニングの違う2タイプの2リッター、直4ターボエンジンが設定されているとのことだ。

・コンセプトカーのレースデビューは?
FRカーのコンセプトカーの足回りは、いずれもレース専用部品で装備されているという。また、インテリアにも後方確認モニターがついたダッシュボードやレーシングシートに加え、パドルシフト付きステアリングホイール、コラム、ペダル、ロールケージなど、いずれもレース用装備が整っており、まさにレースを戦うための準備がなされている。

トヨタのリリースには、『「The Sports of Toyota」として、四半世紀にわたり世界中のファンから愛され続けた「スープラ」は、モータースポーツの世界でも確かな足跡を残しました。特に、1993年に発売された第4世代のスープラは、全日本GT選手権(現在のSUPER GT)のGT500クラスで4回の年間チャンピオンを獲得。1980年代にはアメリカのIMSAレース、1990年代にはル・マン24時間レースに参戦するなど、多くのファンを魅了しました。』と記されており、この先、GTカーでのル・マン24時間への挑戦が再び幕を開ける可能性も含まれている。

一方で、もっぱら気になるのは市販車の価格ではないだろうか。詳細は未だ何も聞こえてこないが、復活すれば3代目となるスープラを待ちわびるファンも少なくないと思われる。



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