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国交省、「対歩行者」自動ブレーキの性能評価を初公表

コラム (2016/12/11)

12月1日、国土交通省が市販車自動車の自動ブレーキに対し、「対歩行者」の性能評価を初めて公表した。当日、茨城県つくば市にある日本自動車研究所において行われた試験走行は、報道陣に向けて公開デモンストレーション形式で実施され、当日に試験結果が発表された。

・日本初となる評価結果発表に
今回のテスト結果は、国土交通省とNASVA(自動車事故対策機構)によって公表された。正式には、「平成28年度自動車アセスメント(前期分)」として、自動車の安全に関わる性能の評価を行なうものである。その中で、国交省が自動ブレーキの性能評価を始めたのは2014年のこと。そこから遡ること2010年、富士重工業が本格的な自動ブレーキを導入したのを機に、他社も追随。急速に拡張されたことを受け、評価を開始した。その一方では各メーカーに開発競争を促す狙いもあった。その結果、現在、国内の新車では、およそ4割に搭載されるようになったという。

メーカーへの機能向上や装置の普及を促すことは、ひいては歩行者が巻き込まれる自動車事故の削減へとつながる。国交省が発表するデータによると、交通事故による死者のうち、歩行者が約37%(平成27年)と割合としては一番高い。このため、2014年からの「対車両」の結果発表だけでなく、「対歩行者自動ブレーキ」の評価を開始することになったという。なお、対象車両は、国交省の選定ではなく、応募のあったメーカーの車両のみテストしたため、11車種に留まった。

結果からいうと、11台のテスト車両が得た結果は「すべて総合評価でASV++(最高ランク)を獲得」。政府関係者からは、「自信のあるメーカーしか応募してこなかったため」という声があげられた。なお、テスト内容は、試験車両を時速10~60キロの範囲において、5キロ刻みで走行。その都度、路上に人形を飛び出させた。人形は身長180センチの大人と身長120センチの子供を用意。自動ブレーキで止まれるかを測定し、衝突すると減点とした。テストでは、これまで実施してきた「対車両」のほか、「はみ出し警告」や「後方視界情報」なども行った。これにより、予防安全性能の総合評価で最高ランク(ASV++、71点満点中46点超)を獲得、最高得点だったのはマツダアクセラの70.5点だった。アクセラは、対歩行者自動ブレーキについては、最高の24.5点を獲得(25点満点)した。なお、評価結果について、独立行政法人自動車事故対策機構(NASVA)では、ホームページで詳細を記載している。
http://www.mlit.go.jp/common/001154184.pdf


・背景にあるのは、高齢者ドライバーによる事故の増加
今回、国交省が初めて「対歩行者」自動ブレーキの性能評価を公表したのは、その技術の開発、導入の進化もさることながら、幅広い車両への歩行者対応の自動ブレーキの普及を誘導する狙いが見て取れる。というのも、自動車事故による死亡事故の減少はもとより、増加する高齢ドライバーの事故が背景にあると考えられる。ここのところ、毎日のようにTVや新聞等で取りあげられる高齢ドライバーによる事故。アクセル/ブレーキの踏み間違いによる誤動作で、暴走や道路の逆走など大小含め、様々な事故が報道されている。警視庁によるデータでは、75歳以上になると、操作ミスによる事故の割合が他年代に比べても増加傾向にあるとしている。

一方、歩行者対応の自動ブレーキの導入が普及すれば、不慮の事故軽減に繋がると答を出すのは、いささか時期尚早ともいえる。今回、テストを受けた11車種は当然のことながらすべて新車であり、これらの車両を高齢者が即購入するかは別の話だからだ。乗り慣れたクルマを長く乗り続けることが多い高齢者の場合、クルマの買い替えに正直積極的だとは言い難い。また、オプションで自動ブレーキが後付できるという話ではないため、引き続き、高齢者の自動車事故への対応や再発防止の取り組みが早急となるだろう。

2055年には、2.5人に1人が高齢者という社会が訪れるといわれている日本。当然のことながら、高齢者における運転免許保有者数も増加傾向にある。自動ブレーキに留まらず、自動運転車両の開発も進められているが、その中でなによりも重要になるのは、事故防止に主眼を置いた開発ではないだろうか。



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