アメリカ情報誌で、レクサスが信頼度ランキングトップに

コラム （2016/10/27）

アメリカの消費者情報誌として世界的に有名な月刊誌がある。その名は「コンシューマー･レポート」。創刊は1936年、80年という長い歴史を誇る。誌面には消費者が購入する消費製品を比較、検討、そして調査した結果が掲載されており、アメリカでは有力な情報誌として知られている。当然、その調査対象のひとつに挙げられるのが自動車だ。安全性のチェックなどで消費者から高い信頼を築いているこの雑誌は、当然のことながら、アメリカの消費者に大きな影響力をもたらしている。

・「車社会」アメリカならではの調査レポート
そのコンシューマー･レポートにおいて、このほど自動車のブランドごとの信頼度ランキングが発表され、その調査対象となった29ブランドのうち、トヨタの高級ブランドとして知られる「レクサス」が、4年連続でトップを手にしたことが明らかとなった。ちなみに、信頼性調査が始まったのは、2001年から。今回、アメリカ国内で販売されている29ブランドがピックアップされたというが、その調査内容として、読者などの保有車両、リース車両の約50万台が対象になったとのこと。2000年から2016年モデルのおよそ300車種以上に焦点が当てられた。

その結果、レクサスが4年連続で首位を獲得。誌上では、調査対象となったレクサスの9車種すべてにおいて、平均値を上回る信頼性を示したと伝えている。加えて、2位に続いたのは、大衆向けブランドの「トヨタ」だった。3位には、本国アメリカのGM社における高級車ブランドである「ビュイック」が続いた。なお、アメリカブランドとしてトップ3入りしたのは、およそ35年ぶりとのことで、話題となっている。

続いて、4位以下を紹介しよう。4位はドイツ･アウディ。5位には韓国の起亜（キア）、6位は日本のマツダ、7位に韓国のヒュンダイ（現代）が続き、8位は日本のインフィニティ（日産）が入っている。そして9位はドイツ･BMW、10位が日本のホンダだった。

なお、この雑誌は、結果レポートの公平性や独立性を重んじることから、一般企業による広告掲載はない。日本でいうところの、「暮しの手帖」と同じではあるが、「暮しの手帖」では、あくまでも日用品を中心とした商品テストの実施であり、コンシューマー･レポートのほうが取り扱う対象商品が規模的に大きく、その対象として自動車が含まれることを考えると、やはりアメリカが古くから車社会であることが容易に想像できる。


・様々な角度からリサーチ、結果を公表

今回は、信頼度ランキングの発表であったが、この他にも様々な調査を実施し、都度ランキングを公開。そのひとつ、毎年春に発行される「自動車特集号」は、最多の部数に及ぶといわれている。このときには、自動車ブランドの総合ランキングが発表されるのだが、今年は1位のアウディに続き、２位に富士重工業のスバルが入り、話題をさらった。この時の3位はレクサスとなり、この他にもマツダが6位に続くなど、安定した好結果を残している。

ちなみに、同特集号に掲載された各メーカー･各車における乗り心地や性能に関する評価、さらに安全性、信頼性、リセールバリューなどのランキング結果は、アメリカ本土において新車うあ中古車販売に多大な影響を及ぼすとも言われる。一方で、高額商品が優れたクルマではない、という視点もぶれていない。総合ランキングでスバルが2位に入ったことを考えれば、納得できるだろう。実際に市販されているクルマを用い、専門家がロードテストを実施し、信頼性を調べる。もちろん、メーカーが公表しているテスト結果は参考にしておらず、ランキングに考慮されていないという。

今回の信頼度テストの結果では、日本車がトップ10に5ブランド入る健闘を見せているが、実は去年の結果からいうと、レクサスは首位を死守したものの、マツダは4位から6位、ホンダは8位から10位へと順位を下げている。今年はデータ改ざんなどのメーカーとしての正しい姿を問われるスキャンダル的事件が多発しただけに、今後は真摯なモノづくりの姿勢が大きく問われることになっていくはずだ。