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F1を巡る動向。事業買収の先にあるもの

コラム (2016/09/30)

・欧州ベースのF1に、アメリカマネー
9月上旬、世界最高峰の自動車レースであるフォーミュラ・ワン(以下、F1)の事業が、アメリカの大手メディア、「リバティ・メディア」に買収されたことが報道された。現在、F1の統括団体は国際自動車連盟(FIA)ではあるが、2006年以降、その株式は「CVCキャピタル・パートナーズ」が過半数を保有していた。リバティメディアは、この買収でF1の経営権を取得することになる。F1に代表されるヨーロッパのモータースポーツより、むしろ自国特有のモータースポーツに人気がある国の大手起業が、なぜ、今このタイミングでF1の経営権を巨額なマネーをつぎ込むのか。その裏に見え隠れするのは、何なのか?

・リバティ・メディアはF1への投資を展開か?
リバティ・メディアのボスは、ジョン・マローン氏。アメリカのメディア界の大物がF1事業の新たなオーナーになることで、どのような変革が行われるのだろう。ちなみに、これまで長年にわたってF1事業の統括を請け負ってきたバーニー・エクレストン氏は、買収が終わっても、現職の最高経営責任者(CEO)を続けるという。一方、2006年に20億ドルでF1の経営権を取得したCVCキャピタル・パートナーズは、今回の買収によって、同権利をおよそ60億ドルで売却した形となった。

今回の買収にかかった費用は、負債額も含め85億ドル、およそ8650億円といわれている。内訳は資産価値として44億ドル、負債が41億ドルだという。このたび、新たにチェイス・ケリー氏が会長に就任。同氏は、90年半ばにスポーツTV会社「Fox Sports(フォックス・スポーツ)」設立に関わり、また、主に北中南米地域においてサービスを行っている衛星放送サービス「DirecTV(ディレクTV)」のCEOとして活躍した人物でもある。また、会社の事業として、アメリカ・大リーグの「アトランタ・ブレーブス」にも投資をしており、今回のF1事業買収にも、「投資」の色合いを含んでいるのではないかと考えられる。

・アメリカ企業によるF1活性化!?
大リーグチームの投資事業を行なっている同社が視野にいれているのは、投資家によるビジネス拡張。事実、投資できるよう、子会社連動株式に変わる考えがあるとしている。また、今回の買収の契約内容には、参戦するF1チームが株式購入できるチャンスが含まれていると伝えられている。一方で、FIAも1%の株を所有しており、かつ契約内容において、FIAの同意が必要としている。

このことから考えられるのは、事業権利が譲渡されたとはいえ、すぐに参戦チームが株主となり、F1運営に多く口を挟むまでには至らないのではないか、という点だ。先述のとおり、FIAからの承認を得るということが、何よりのハードルになると思われる。このたびの買収発表を受け、現FIA会長のジャン・トッド氏は、「素晴らしい企業による“長期的投資”は歓迎するものの、FIAとしてはこの買収取引によって“どういう結果がもたらされるのか”ということに関して“さらなる情報”が必要だ」とコメントしており、目先の利益に特化した投資に難色を示していることは明確だ。

その一方で、注目すべき点は、長らくヨーロッパのスポーツ文化として位置づけされてきたF1が、再び、北米で再認識されることにあるとも考えられる。現在、カナダ、アメリカ、さらに南米メキシコ、ブラジルでのGPイベントは開催されているが、とりわけアメリカ本土におけるF1人気は、少なくとも自国のモータースポーツよりはるかに高い人気を誇っているとは言い難い。アメリカ人ドライバーの不在もその理由のひとつであると考えられるが、このたびの参画によって、国内での盛り上げのための策が投入されることもあるのではないだろうか。

余談ではあるが、9月中旬には、アップルがイギリス・マクラーレンと経営権取得の可能性について交渉中、というニュースも飛んだ。アップルとしては、電気自動車の自動運転技術の開発に着手しているものの、F1という点からの経営権はさほど視野に含まれていないと思うが、技術面を高く評価していることから、投資案が浮上しても不思議ではない。

つねにモータースポーツの最高峰として君臨してきたF1。その華やかな表舞台を支える舞台裏も、次なる時代に向けての進化を模索中であることには違いないが、テレビ中継が有料化されてしまった日本のファンにとって、歓迎できる事業発展につながることを期待したい。



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