2012年4月6日、トヨタの現行カーラインナップに本格スポーツカーが復活した。
2009年の東京モーターショーでコンセプトカー「FT-86 Concept」が初公開され、それから2年の年月が経過した2011年秋のイベント「TOYOTA GAZOO Racing FESTIVAL 2011」において、量産モデルのスタイリングと正式名称が発表。
車種名は「TOYOTA 86」。
トヨタ自動車と富士重工業が共同で開発したFRスポーツは、軽快な走りと、自分好みのカスタマイズを楽しむクルマとして誕生。
AE86の生産終了後、四半世紀の沈黙を破り「新世代の86」が華麗なる進化を遂げて復活した!
ボンネットを開くと、縦置きに配置されたエンジンが極限まで低く、そして可能な限り後方にマウントされていることに気づく。
注目のパワーソースは、スバルの水平対向4気筒エンジン(可変バルブタイミング機構付)にトヨタの直噴システムD4を組み合わせ、省燃費と高出力を両立した新開発「FA20」エンジンを搭載する。
ボア×ストロークは、4A-Gと同じスクエアタイプ(86×86mm)を採用し、総排気量は1,998cc。
自然吸気で最高出力200psを7700回転、最大トルク20.9kg-mを6600回転で発生する。
現代のハチロクは燃費(環境)性能も配慮され、JC08モードで1リッターあたり12.4kmを走行できる省燃費を併せ持つ。
組み合わされるトランスミッションは、6速マニュアルミッション(3ペダル)と、レクサスIS F用オートマチックトランスミッションの技術が活かされたトルクコンバーター式6速AT(2ペダル)を用意。
GおよびGT "Limited"は、トルセンLSDを標準装備する。
乗車定員は2+2の4名乗車。
新設計されたシャシーは「1mmでも低く」をコンセプトにかかげ、エンジンやミッショの搭載位置は、ターボが装着できないぐらい低く設定された。
シートポジションは、トヨタのカーラインナップで最も低い400mmに設定され、非日常的な視界とチューニングベース車両としての優れた素質を提供する。
また、リヤシートを倒せば、スペアのタイヤ4本が搭載可能だ。
Sタイヤを積んでサーキットで交換したり、ドリフトの予備タイヤ4本を搭載できるなど、実用性も抜かりない。
車両販売後もTOYOTA 86を盛り上げるため、独自サイトを立ち上げオーナー同士が交流できる場所を提供。
2013年以降、TOYOTA 86ワンメイクレースの開催も企画しているようだ。
TOYOTA 86のグレードは、競技用途に快適装備を簡素化した「RC」から豪華装備の上級グレード「GT "Limited"」まで4タイプ用意。
価格帯は199万円~305万円に設定される。
廉価・競技モデルの「RC」グレードは、購入後チューニングすることを前提に、バンバー塗装、アルミホイール、内装華飾などが省略され、選択できるトランスミッションも6MTのみの設定になる。
車体重量は、全グレード中で最軽量の1,190kgになる。
199万円の戦略的な価格は魅力的だが、エアコンはヒーターのみ装備。
オプションでクーラーを付け足す事はできないので注意が必要だ。
ワンランク上の「G」グレードは、「RC」の仕様にプラス、マニュアルエアコン、フロントベンチレーテッドブレーキディスク、16インチアルミホイールが標準装備される。
トランスミッションも6MTと6ATが選択可能。
一般ユーザーにとっては「G」グレードが実質的なベースモデルになりそうだ。
「GT」グレードは、ヘッドライトの光源がHIDになり、17インチアルミ、前後ベンチベンチレーテッドブレーキディスク、トルセンLSD、上級シートファブリック、革巻ステアリング、コンネーションメーターにデジタルスピードメーター&REVインジケーターが追加される。
最上級「GT "Limited"」グレードは、スポーツブレーキパッド、アンダーパネル、シート表皮の本革×アルカンターラ、リヤスポイラー、リアフォグランプなどを装備した豪華仕様になる。
ただし、価格は300万円を突破する。
ボディカラーは、全グレード共通の7色用意。
カラーは、サテンホワイトパール、スターリングシルバーメタリック、ダークグレーメタリック、クリスタルブラックシリカ、ライトニングレッド、オレンジメタリック、ギャラクシーブルーシリカ。
サテンホワイトパールはメーカーオプションなり、価格が31,500円アップになる。
また、メーカー系カスタマイズブランドのモデリスタやTRDから、TOYOTA86専用アイテムが販売され、多様化するニーズに対応する。
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