ポルシェパナメーラSハイブリッドが搭載するシステムは、基本的にカイエンSハイブリッド(=トゥアレグV6 TSIハイブリッド)と共通で、スペックについてもシステム出力380ps、最大トルク59.2kgf-mと変更はない。 しかし、車体重量がカイエンに比べ250kg以上軽く、ニッケル水素バッテリーを荷室床下に搭載することによりFR駆動としては理想的な前後重量バランスを実現。 ポルシェNo.1の省燃費を実現し、カイエンとは性格が異なる最上級のもてなしとスポーティな走りが楽しめるクルマに仕上げられている。
国産車のハイブリッドシステムと比較すると、動力分割機構を採用するプリウスとは大きく異なり、日産フーガが採用するシステムに類似している。 ただし、パナメーラのモーター出力は47ps(プリウスは88ps)と低く、モーターが積極介入するのではなく、ガソリンエンジンが苦手とする低回転域をアシストする印象だ。 この点は、ホンダのシステムに類似しており、あくまでも主役はエンジンになる。
国産勢との違いは、巡航領域に達すると積極的にエンジンを自動停止(165km/hまで)すること。 アクセルオフと同時にコースティングモード(クラッチをフリーにして慣性だけで転がっている状態)になり、高速道路の下り坂においては「エンジンが停止した状態のまま、惰性のまま数キロ走行する」とか、市街地の信号が赤になった場合「遥か手前でアクセルをOFFにして、数百メートルを惰性で走行する」というスタイルで燃費を稼ぐ。 また、バッテリーフル充電時にEV走行モードを選択すれば、85km/h以下、最大2kmをモーターのみで走行する事も可能だ。 しかし、ひとたびアクセルを全開にすれば、主役である「V6エンジン+スーパーチャージャー」のポテンシャルが8速ティプトロニックSを介して炸裂。 カイエンSハイブリッドに比べ250kg軽量化された効果は絶大で、0-100km/hに要する時間はわずか6秒、最高速度270km/hに到達。 所有するステイタスと同時に、世界一楽しいハイブリッドの世界を満喫できる。
ボディサイズは、全長4,970、全幅1,930、全高1,420mm。 国産車のレクサスLS600hと比較すると、全長ー90mm、全幅+55mm、全高ー55mmで、パナメーラの方がワイドで車高も低い。 パワーは大差なく、車体重量はパナメーラの方が250kgほど軽量。 外観の違いは、フロントフェンダーとリヤゲートに装着されたエンブレムが装着される。 価格は1,483万円。ハンドルは左右ともに用意する。
ポルシェ パナメーラSハイブリッド
車両本体価格 14,830,000円
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